安河内:相づちって、何気に難しいですよね?
Kaori:はい。事務所で漫才の練習をしていたときも、「まずは相方の話への相づちを懸命にしろ」と言われものです。漫才は2人の呼吸がすべてだからって。日本人って人の話をしっかり聞く訓練はよくできていると思うんです。ただ、それを相手に伝えるのはあまり上手じゃない。アメリカ人と話していると、私たちに比べたら、あまり聞いていないなと感じることがあります。でも、彼らはHmmm.(ウーフ)Uh-huh.(アーハ)Wow!(ワァーウ)とかいった、相づちのリアクションが大きいんです。
Hmmmをマスターすれば100通りの表現が可能に!
安河内:Hmmm.とUh-huh.、そしてWow!ですか。コツは?
Kaori:相手の目を見ることです。あとは、日本語で相手の話を聞いて「うんうん」と言うのと同じ要領で、でももっと大げさにHmmm、Uh-huhを。「えー、すごい!」と思ったらWow!を入れてけばいいんです。Hmmmと言いつつ相手の話を自分の中に落とし込むのと一緒なんです。私は無言でうなずくより声に出したほうが、相手の話ががぜん入ってきます。
安河内:日本語だとうなずくだけのところを、英語では声を出して相づちを打てと。
Kaori:はい。ひと口にHmmmと言っても、よく聞いていると何百通りの意味があると思うんです。シチュエーションによって、感心したり、共感するときもあれば、超適当に「あ、うん」っておざなりな反応だったり。ホントは聞きたくないという引き気味な返しだったりするわけです。
安河内:おお。じゃあ、Hmmmをマスターすれば、この1語である意味、100通りの表現をマスターできるってことですね。相づちオンリーで会話力が格段に上がるんだ。
Kaori:はい。コンサートやライブに行ったときに日本人は静かに聞く。でも、アメリカだととにかく騒がしい。スタンダップコメディの会場でも、Oh, yes!なんていう間の手がバンバン入るんですよ。黒人のコメディアンが、人種差別に対するジョークとオピニオンをうまく融合したようなコメントをすると、「そのとおり!」と賛同の意を込めて、Yes, amen!といった声が飛び交ったりもするんです。
安河内:先日、日本の英語学習者に向けたイベントで、Kaoriさんにゲストとして登場してもらい英語のスタンダップを披露してもらいましたよね。100人ほどの参加者でしたが、みんなじーっと静かに聞いていました。
Kaori:ええ、反応薄かったですね。メモ取りながら聞いている人もいるんじゃ?というくらいまじめな雰囲気でした。
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