不具合があれば工場の全員で解決する
遠藤:加藤社長が入社当時のデンソーの現場は、どんな感じでしたか?
加藤:私は1971年入社で、愛知県にある西尾工場の、カーエアコンを造る製造部の生産管理に配属されましたが、そこでデンソーはモノづくりにおいてQCD(「品質・コスト・納期」の略称)をとても大事にするということを身にしみて感じました。
遠藤:今の現場と比べて、何か違いはありますか?
加藤:当時は、会社の規模もまだ中堅企業レベルで、今と違って工場内に前工程から後工程まですべてあり、製品造りが1カ所で完結していました。
遠藤:現場としては、手頃な規模感だったのですね。
加藤:ええ。製品に不具合が出ると、みんなが集まって話し合い、「お前アレやれ」「俺はコレやる」と、上の指示も仰がずに、自分たちでその改善に動き出す自主性も強くありました。
遠藤:「まずは自分たちで解決する」というのが現場のプライドですよね。しかし企業規模が大きくなると、どうしても現場の一体感を保ちにくくなります。何か工夫はされていますか?
加藤:「現場を元気に、一体にする」という点では、実は「社内運動会」の役割が大きいと、最近、実感しているのです。
遠藤:社内運動会ですか?
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