サツマイモ「花粉症改善」に効果がある意外な根拠 史上最恐の花粉シーズンを乗り切る「腸活法」

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では、なぜ免疫機能が崩れるのか。その原因が腸内環境にあるということが、近年研究結果によって次々とわかってきています。

ごく簡単に言うと、免疫細胞のメンバーである制御性T細胞が少ないと、過剰な免疫反応を起こすメンバーを抑えきれず、アレルギーが発症してしまうのです。

この制御性T細胞は、腸内の善玉菌が出す酪酸という物質が増やしていると考えられています。

ですから、酪酸を作る腸内細菌が少なければ、制御性T細胞も少なくなる。そして、アレルギー症状が起きやすくなる、と言えるわけです。

腸を元気にする意外なポイント

では、どうすれば腸が元気になると思いますか?

大事なのはポイントは2つあります。一つは食物繊維を摂ることと、もう一つ意外に知られていない重要なポイントが「超動きがいい腸」にすることです。ストレス過多な社会、食生活の欧米化といった時代の変化で、日本人の「腸の動き」は一昔前より悪くなっているからです。

腸がよく動けば、何がいいのか。実は、善玉菌が増えるのです。

ぜん動運動が活発に行われれば、腸壁粘膜からムチンという粘液物質が分泌されて排便がスムーズになります。また、ムチンをエサとして善玉菌が増え、腸内環境はよくなります。しかし、ぜん動運動が弱ければ、便が大腸内に居座ったままなので、悪玉菌が増え、その分善玉菌は減ってしまいます。

善玉菌が減れば、酪酸も減り、制御性T細胞の数も減る、働きが弱くなるといったことが起こります。

さらに、ぜん動運動が免疫力と関係が深いのには、もうひとつ理由があります。

腸壁を作っている筋肉の中に、免疫細胞のメンバーのひとつ、マクロファージがたくさんいます。マクロファージは免疫のメカニズムの中でも欠かせない、大事なメンバーです。

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