営業マンの有効時間「平均15%」のお寒い実態 カフェ休憩はわずか、無駄作業が多くを占める

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何に時間を費やしているか見える化することで改善点が見えてくる(写真:つむぎ/PIXTA)

思うように業績を残せない場合、一般的に「営業方法に問題があるのか」と考えがちです。しかし、本来の営業に使えている「有効営業時間の少なさ」に原因があるかもしれません。本稿は『1000人のトップセールスをデータ分析してわかった 営業の正解』より一部抜粋・編集のうえ、有効営業時間の見える化と改善法について解説します。

一般的な有効営業時間は平均で15%ほど

本稿では、ヒアリング、プレゼン、条件交渉といった実際にお客様と会って商談をしている時間のことを「有効営業時間」と定義します。After/Withコロナの時代では、オンライン会議も含みます。有効営業時間がだいたいどれくらいあるかご存じでしょうか?

イメージとしては「30〜40%はあるのではないか?」といったところではないでしょうか。ところが、正解は平均で15%くらいです。10〜20%くらいの幅に、業種・業界を問わず、おもしろいくらいキレイに収まります。実際、営業がお客様と会っている時間はこんなに少ないのです。

では、いったい何に時間をとられているのでしょうか。これは会社によって異なりますが、お客様向けの資料作成、顧客向けの書類作成や受発注・契約関連などの事務作業、クレーム対応、社内会議などが多いようです。
「カフェあたりでさぼっているんじゃないだろうか?」と思う人もいるかもしれません。もちろん、カフェで休憩をしている時間がないわけではありませんが、それが本当の問題ではないのです。

むしろ「できる営業」や「できるマネジメント」の考え方は、「やることをやっているのであれば、別にカフェで休憩していても何の問題もない。時間配分は営業に与えられた裁量の一つだ。人間なのだから体調に合わせて休憩するのも必要なことだ」という合理的な考え方をしている人の方が多いです。

話を戻します。営業というと、外に出てお客様と会っている時間が多い、というイメージがあると思いますが、これがデータにすると見えてくる事実なのです。

ちなみに、有効営業時間は、業種や担当エリアにもよりますが、多くても40%程度です。移動時間や必要な社内会議、最低限の事務処理や報告などは必ずあるので、20%を超えていればいい方なのです。

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