営業マンの有効時間「平均15%」のお寒い実態 カフェ休憩はわずか、無駄作業が多くを占める
また、資料づくりに時間をかけすぎるのは、営業ではほめられません。どの会社も問題視しています。営業にはもっと顧客との接触時間を増やしてもらいたいのです。
典型的な例はパワーポイントの作成に凝って時間をかけすぎてしまうことです。たった一枚のパワポに2〜3時間かける人はどこの組織にもいるものです。この話をすると「うちの会社にもいるよ」とほとんどの会社の人がうなずきます。
しかも、どれだけ時間をかけても、実際には顧客にはあまり見てもらえません。作る側は一言一句、図の配置などにも気を遣いますが、顧客は考えているほどは細部を見ていません。自分が提案を受ける時のことを思い出せばわかると思います。
「できる営業」は資料づくりでは、100点を目指しません。60点でよしとします(60点主義)。合格できて、かつ恥ずかしくないレベルであればよいと割り切っています。見栄えより重視するのは、相手が求めるポイントに沿ったズバリの提案をすることです。
「ページ数の多すぎる資料は読まれない」という絶対的な法則があります。50〜100ページもあると、すべては覚えられません。ポイントがぼけてしまうのです。特に忙しい決定権者は1〜3枚くらいの資料を好みます。質問が予想される場合には、そこだけに答える別紙を用意して対応すればよいのです。
実際に「できる営業」の提案資料なども見せてもらいますが、枚数は意外と少ないようです。少ない場合は5〜10ページ程度。それなりの枚数を顧客側から求められる場合でも、20〜30ページ程度でしょうか。その際も、新たに書き起こすのは数ページで、あとはすでにあるネタの使いまわしで効率化しているようです。
顧客と相談して共同作業をする
ただ、60点でOKしてもらうためのちょっとしたコツがあります。まず、30点レベルのたたき台をつくって、こんな感じでよいか顧客に確認する相談プロセスを入れます(30点相談)。そして、コメントしてもらったアドバイスをもとに60点くらいの提案を行います(60点提案)。その後、顧客の追加コメントなどを反映し推敲を行いながら、一緒に提案を完成させるイメージです。
整理すると、「30点相談→60点提案→共同推敲→提案完成」という流れです。こういった顧客との共同作業型の提案ができると、ズレがほとんどありません。たたき台の段階から確認してもらっているので、完成した提案は顧客のニーズにフィットしたものになります。
一緒に推敲してもらっているので、提案の本質とは関係のない、どうでもよいディテールは気になりません。枚数も適度に収まります。不要なページをつくる必要がないからです。ポイントがハッキリしていないと、あれもこれもと入れたくなりますが、枚数が増えるほど読む側にとっては負担になります。作成時間も、中間チェックの時間を差し引いても、トータルでは減らせるのです。
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