(第57回)高度外国人材を受け入れるには

✎ 1〜 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 最新
拡大
縮小
(第57回)高度外国人材を受け入れるには

医師の国際移動の実態は、どうなっているだろうか。これに関しては、世界銀行のデータがある。

下表に示すのは、オーストラリア、イギリス、アメリカへの医師の移民数だ(1000人以上の移民医師がいる国は、このほかにドイツとスイスがある。また、アメリカに1000人以上の移民医師を出している国は、表に示すもののほかにイスラエル、日本、南アフリカ、台湾、オーストラリア、コロンビア、ロシア、タイ、ベトナム、バングラデッシュ、トルコ、ウクライナがある)。

アメリカにおける移民医師は、1000人以上の移民を出している国の出身者を合計するだけでも14・3万人いる。これは、アメリカの医師総数87・2万人の16・4%にも上る。このうち、イギリス出身が38・9%、オーストラリア出身が14・1%だ。

旧英連邦内の移動を別とすれば、途上国から先進国への移動が多い。低所得国から先進国に頭脳が流出するのは、自然の動きである。なかでもインドからの移民が多い。パキスタン、フィリピンからも多い。

その数は、途上国の側からは無視できない。インドの場合、流出医師数はインドの総医師数の13・1%にもなるので、インドの国内医療に大きな打撃を与えているだろう。

だから、世銀はこれを頭脳流出と捉え、途上国の立場から問題としているのだ。確かに、優秀な人材を教育したのに外国に行ってしまわれては損失だ。他方で、先進国は途上国における医学教育にタダ乗りしていることになる。


関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT