そんな中、イケアのLED電球「LEDARE(レーダレ)」は、超破格なのだ。白熱電球40W形相当の明るさを持つ400ルーメン(E26、調光器非対応、球形、オパールホワイト)は、なんと1個499円(税込)。
発売当初の999円(税込)から2013年8月にさらにこの価格に下がったのだが、目標50万個のところ、6店舗で年間約60万個売れたという。現在は、2個599円(税込)とさらにお得な形で売られている。一般的なLED電球の半値以下である。
今年に入ってからは600ルーメン(E26、調光器対応、球形、オパールホワイト)がいちばん人気だそう。こちらは799円(税込)だ。冒頭の比較にあてはめると、年間の電気代と合わせた額は1039円。
仮に2個108円の白熱電球を買うと初期投資と電気代で年間1558円かかってしまううえ、1年後の予備はあるものの、それ以降も毎年交換し続けなければならない。つまり、イケアでLED電球を買えば、初期投資を含めても、初年度から白熱電球を買うよりお得になってしまうのだ。
イケアのコスト競争力の裏側
だが、販売当初からこんなに安かったわけではない。2011年3月11日以降、日本で節電意識が高まったことを受け、イケアも同年10月からLED電球の日本先行販売を始めたわけだが、前述したように大人気の400ルーメンもまだ999円(税込)だった。それでも市場の中では最安値レベルで安かったのだが、イケアは猛烈な企業努力を続けることにより、さらなる値下げを図っていったのである。
具体的には、コストの徹底的な見直しだ。イケアはどの商品も、つねに輸送やパッケージにかかる費用などを見直して値下げに取り組んでいるが、「LED電球ほどパッケージが見直された商品はないのでは」と、照明担当のレンベルト友子氏は話す。
素材の見直しも効果があった。たとえば人気ナンバーワンと前述した600ルーメンの商品。2013年8月の販売開始当時には1199円(税込)だったが、ドームをガラスからプラスチックに変え、2014年2月には、割れにくい仕様とともに999円(税込)への値下げを実現した。売り上げや店舗数の増加によるスケールメリットもあり、今年に入ってからは799円(税込)まで値下げされている。
進化しているのは価格だけではない。消費者のニーズに合わせてスペックの向上にも、日々、取り組んでいる。
たとえば、明るさ。LED電球の明るさはルーメンという単位で表される(白熱電球のワット数に10をかけると同等のルーメン値が求められる)が、当初は200ルーメンと400ルーメンの取り扱いだった。現在は80~1000ルーメンまでの間で6つの明るさから選ぶことができる。
いわゆる配光角(光の広がる角度)も見直している。当初は配光角160度で直下の一定方向にしか光が当たらなかったが、白熱電球のように広範囲に広がるよう、一般的な球形商品はすべて230度に改善した。また、2014年10月からは球形タイプがE26、E17ともすべて調光器対応となった。
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