イケアの知られざる売れ筋、LED電球の秘密 家電業界もビックリの超絶コスパ!

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さらに今年2月からは新たな色も追加している。今まで、すべての商品は温かみのある電球色(2700ケルビン)だった。だが、アジア圏の店舗では白っぽい色のニーズが高いため、昼間の太陽のようなさわやかな色合いが特徴である昼白色(4000ケルビン)と昼光色(5000ケルビン)の2色(それぞれ600ルーメンと1000ルーメン、オパールホワイトのみ)を投入したのだという(※ケルビン…色温度を表す単位。値が低いほど赤みが強く、高いほど青みの強い光となる)。

日本人好みの青み寄りの白色もしっかり投入

確かに、日本人はこうこうとした青白い蛍光灯に慣れている人が多い。筆者の夫がまさにそうだ。

実は、わが家は昨年、イケアで照明器具と400ルーメン(2700ケルビン)のLED電球を購入したのだが、リビングダイニングがようやく温かみのあるリラックス空間に生まれ変わったのに、夫は「なんか暗い!」といまだに文句を言っている。筆者はたいへん快適なので無視である。

イケアでも、新色の昼白色と昼光色の出足はよいそうだが、圧倒的に温かみのある2700ケルビンが人気だというではないか。夫がこっそり買ってきては困るので、新色登場については内緒にしておくつもりだ。

とにかく、イケアのLED電球は、スペックも充実しており、かなりの高コスパ商品といえるのではないだろうか。わが家の電気代は横ばいなので節約効果の実感は薄いが、あとは予定どおりの寿命を迎えてくれれば、当面、電球を交換しなくて済むので文句ナシ、と筆者は思っている。

照明器具にも「超高コスパ」がずらり

イケア・ジャパンには約9500点の商品があり、その中で照明器具は子ども用を含め約600点に上る。LED電球は当初11種だったが、26種(2015年3月現在)にまで増えた。この春は、照明関連商品を新たに90種類投入。LED電球に関しては、4月からダウンライトに適した「GX53」タイプも発売する。400ルーメンが999円(税込)、600ルーメンが1499円(税込)の予定だ。

日本向けに開発した「HARALIDEN(ハーラリーデン)」などLED電球埋め込みタイプの商品も大人気

LED埋め込みタイプの商品も充実しており、特に日本ではテーブルランプのニーズが強いそうだ。日本向けに開発した「HARALIDEN(ハーラリーデン)」(調光式、3499円税込)は、学習机とセットで売れているという。

ちなみに、2児の母である編集担当のY氏は、取材後にこの商品の売れ筋色である白を購入していた。カメラマンのU氏も、「LEDといえば直下方向の光だったんだけど、広がるタイプでこの価格は画期的!」と、楽しそうに電球をお買い上げ。コスパの優秀さもさることながら、「ここは電気屋さん?」と錯覚するほど売り場にはたくさん商品が並んでおり、いるだけで気分が上がるので、ついつい手が伸びてしまうのも無理はない。

しかし、イケアは最近になって照明に力を入れ始めたわけではない。創業当時から「Everything under one roof」がそろうストアを目指し、快適な空間を作るうえで家具と同様に照明も重要なアイテムとして販売をしてきた。ただ、地球環境への配慮などからLED 電球推進には注力しており、2016年度から全世界の店舗照明と販売照明をLEDに切り替える予定だ。白熱電球はすでに2012年8月末、省エネ電球(電球型蛍光灯)は2014年8月をもって販売を終了。ハロゲン電球についても、今年度で販売を終えるという。

2020年には国内14店舗を目指しているというイケアだが、今のところは8店舗展開。自社通販サイトもないので入手しにくいのが残念だが、LED電球購入を検討中の人は、ぜひ近くの店舗に見に行ってみるといいかもしれない。

(撮影:梅谷 秀司)

佐藤 ちひろ ライター・エディター

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さとう ちひろ / Chihiro Sato

インテリア専門商社にて内装デザインや商品開発リサーチ等を担当後、美容系ECサイトや新聞生活情報面の編集に携わる。独立後は企業取材やライフをテーマにした企画を中心に執筆活動を展開。東洋経済オンラインでは「めちゃ売れ!コスパ最強商品はコレだ」「溺愛される商品にはワケがある」など消費財関連の連載執筆を担当。プライベートでは1児の母。

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