ネットフリックス「退任決めたCEO」が語った現状 国内外で動画配信サービスの競争が激化
すでにピュア・ソフトウェアという会社の設立に成功していたヘイスティングスは、1997年にマーク・ランドルフとともに、映画の郵送レンタルサービスとしてネットフリックスの設立に携わった。
2人は、1998年にヘイスティングスがランドルフに対して、自分がCEOに相応しくなくなった理由をパワーポイントで詳細に説明するほど、「過激な正直さ」という企業文化を植え付けた。
それ以来、ヘイスティングスは同社の動画配信への移行に大きく貢献した。同氏は、「ネットフリックスに広告は入らない。以上」と何度も繰り返してきたが、結局はその方針も変わることとなった。
自社の社員をも怒らせた「コンテンツ」
ネットフリックスがほかの動画配信サービスとの差別化を図るために立ち上げたDVD事業「Qwikster(クイックスター)」は、わずか1カ月で終了した。サービスを2つに分けたことによる値上げに不満を持った100万人の加入者がサービスから離れてしまったのだ。
2018年末、ネットフリックスは、ハサン・ミンハジ主演のコメディ番組「Patriot Act」のエピソードが、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に批判的でサウジアラビアの検閲にひっかかるとして、同国での配信から引き上げたことが批判された。ヘイスティングスはこれに対し、「私たちは権力に真実を伝えようとしているのではない。(顧客を)楽しませようとしているのだ」と反論した。
2021年には、コメディアンのデイヴ・シャペルのスタンドアップ・スペシャルがトランスジェンダーに対する偏見を助長していると社内外で批判されたとき、同社はそれを擁護した。多くの社員がウォークアウトに参加し、コンテンツをサイトに残すというネットフリックスの決定に抗議した。
(執筆:Benjamin Mullin記者、Nicole Sperling記者)
(C)2023 The New York Times
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