ネットフリックス「退任決めたCEO」が語った現状 国内外で動画配信サービスの競争が激化

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最大の競合相手として「睡眠」を挙げることで有名なネットフリックスは、TikTokのような新興プラットフォームに加え、動画配信サービスの競合相手との競争に直面していることを書簡で認めている。また、潜在顧客を獲得するための他のライバルとして、従来のテレビ、YouTube、ビデオゲームも挙げている。

アメリカで月額6.99ドルというネットフリックスの広告枠は、ヘイスティングスを筆頭とする経営陣が、広告が同社にふさわしいとは考えていないと長年主張してきた企業にとって大きな転機となった。しかし、昨年11月に発表されたこの計画は、同社の加入者数減少に脅かされた投資家からは好評を得ている。

独自映画の数は昨年より減少

1月18日、ネットフリックスは2023年の映画スケジュールを、アニメや外国語映画を含む49作品にすると発表した。1週間に1本のペースで映画を公開するという同社の野望から、61本の英語版実写映画、5本のアニメコンテンツ、3本のアニメ映画、17本の他言語版実写映画となった2022年の水準からは減少することになる。

2023年のハイライトは、マイケル・ファスベンダー主演、デヴィッド・フィンチャー監督のスリラー「ザ・キラー」、ザック・スナイダー監督のSF大作「レベルムーン」、デヴィッド・イェーツ監督のエミリー・ブラント主演「ペインハスラーズ」(昨年のカンヌ映画祭で5000万ドルで買収したと言われている)などがある。ネットフリックスはまた、コンテンツのフランチャイズ化を意図しており、「マーダー・ミステリー」と「タイラー・レイク-命の奪還」の第2弾も2023年に登場する予定だ。

かつて動画配信市場で無敵だったネットフリックスは、ディズニー、コムキャスト、ワーナーブラザーズ・ディスカバリーといった、かつて番組制作で頼りにしていたライバルたちとの競争激化に直面している。こうした競争とアメリカにおける動画配信サービスの飽和状態が相まって、ネットフリックスは海外市場での加入者獲得、パスワード共有の取り締まり、広告プランの導入に踏み切ったのである。

ネットフリックスは株主宛ての書簡で、追加料金を支払うことで加入者がアカウントにユーザーを追加できる「有料共有」などの新しい取り組みを通じて、加入者を増やしたいとしている。

同社はまた、「ウェンズデー」シリーズやネットフリックスでの公開前にアメリカの限られた映画館で上映した映画「ナイブス・アウト:グラス・オニオン」などが好調であったことを挙げている。同社はこのほか、前四半期に、クリスチャン・ベイルとハリー・メリング主演の時代劇探偵ミステリー「ほの蒼き瞳」の配信を開始している。

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