「全盛期に田舎に戻る」人気声優の決断、驚きの訳 安達勇人、地元で見つけた「本当の生きがい」

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まず安達が行ったのは声優としての仕事を一度整理することだった。

「剣道も全国優勝して辞めています。2.5次元の舞台も一番いい役でいい時期に降りました。続ければもちろん食べてはいけるんですが、自分の中では『割り切ったもの』がありました。声優の学校を出たわけでもなく、それでやっていくということでもなかったですし」

声優として上り調子のまさにそのときに、安達はあえて声優としてのオファーを断ったのである。

そして冒頭に挙げたようにスケジュールの問題などを踏まえ、地元で活動できる時間を優先した。ここから笠間と東京を往復する日々がスタートする。

1000人を超えるZeppで、ライブツアーを成功させ…

茨城のご当地アーティストになるのではなく、東京でもしっかり活動することで、業界にもしっかりアプローチできます。笠間に拠点はありますが、完全に茨城だけということではありません」

この言葉どおり、拠点を移した安達はソロアーティストとして快進撃と言っていいほど駆け上がっていく。

2018年からは、全国ツアーを開催台湾上海シンガポールなど海外でのライブも、大成功を収めた。2020年にはキャパシティー1000人を超えるZeppにて、ライブツアーを成功させる。

そして、アーティストとしても、さらなる高見を目指すべく安達が上ったのは、地元茨城での軽トラックの上だった。

「地元茨城を盛り上げたい」という熱い想いを、道の駅などのライブで体現する(写真:松原大輔)

「Zeppのようなステージに立てることはアーティストとしてもちろん光栄なことですし、売れない頃からすると、本当に夢のようなことです。ただ、僕にとっては軽トラの上も、Zeppのような大きなステージも、水戸駅前の景色も、道の駅も、変わらないんですよね」

これをあっけらかんと言ってのけるのが、まさに安達勇人の現在地を象徴しているだろう。

トレードマークのオレンジのツナギの衣装(写真:松原大輔)
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