「全盛期に田舎に戻る」人気声優の決断、驚きの訳 安達勇人、地元で見つけた「本当の生きがい」

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普通、それなりに売れているアーティストにはプライドやイメージ戦略もあり、ライブ環境が整っていない地方のイベントには出づらいものだ。ましてや軽トラの上をステージにライブなど、そうないだろう。

大会場も道の駅も「楽しみ方」次第

ステージは楽しみ方次第だと思います。いろんな表現ができるのはうれしいですね。道の駅でもそこでしかない出会いがあるわけです。ホールなどのライブだと絶対にない、その日しか会わない人たち。おじいちゃんおばあちゃんや男性の方とか。それが今、連鎖しているんです」

男女関係なく、みんなが楽しめる場所があるのではないか、それが安達が地元茨城で目指す場所であり空間だ。

安達にとっては軽トラからの景色も大ホールの景色も変わらない(写真:安達勇人さん提供)

今、安達は毎週末、茨城県内のお祭りや道の駅、はたまた商業施設でライブ活動を行っている。もちろん平日は都内での活動をこなしつつだ。「町おこし」としてまずは自分自身が地元に貢献できることを実践している。

地元での活動の原動力となっている、次の世代に「田舎からは無理」と思わず可能性を感じてほしいという想い。それは無名の観光大使だったあの頃から、何ら変わることがない。

声優としての最盛期に仕事をセーブし、茨城での活動に本腰を入れた安達は、きっとまた「新しい道」を見つけるに違いない。

*この記事の後編:「田舎を変える」人気声優の"4大挑戦"驚く本気さ

松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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