本当のところ「1日何歩」歩くのがベストなのか 害として報告されるのはほとんどが「けが」
健康に関する「ちまたでよく聞く噂」には実際のところ、どこまで科学的根拠があるでしょう。
例えばウォーキングは体に良いと一般的にいわれるところですが、歩けば歩くほど効果は上がるのでしょうか。NY在住・新進気鋭の専門医、山田悠史氏の著書『健康の大疑問』より一部抜粋、再編集して最新の知見を紹介します。
歩数と死亡率の関連性は?
スマートフォンをお持ちの方にとって、歩数というのは活動度を容易に示してくれる身近な目安になっているかもしれません。歩数が多ければ多いほど健康につながりやすいというのであれば、「一駅手前で電車を降りて歩こう」なんて考えることもあるかもしれませんよね。 歩数に関しても、いろいろな噂を聞くのではないでしょうか。「1日1万歩歩くと健康に良い」と言う人もいれば、「1万歩は歩きすぎだ」と言う人もいます。
一体何が本当なのでしょう?
運動習慣がもたらす健康上の有益性は、多くの人にとってほとんど間違いのないものですが、歩くことは健康に好影響をもたらすのでしょうか。
そうした研究は実は数多く存在します。
代表的な一つとして、2020年にJAMA誌に掲載された研究を挙げることができます。
この研究では、平均約57歳の4840人を10年間ほど追跡して、歩数と死亡率の関連性を調べました。また、死亡率だけでなく、追加で心臓・血管疾患やがんによる死亡率との関連性も合わせて調べられています。
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