誰にも届かない「残念なプレスリリース」の特徴 自社と他社を差別化する為に必要な「3大工夫」

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旅館を例に見てみましょう。「本当に丁寧な接客をしている旅館」は当然、自分たちのサービスを「心を込めたおもてなし」と表現します。反対に「気の抜けた接客をしている旅館」でも、わざわざ「手を抜いたおもてなしでお迎えします」などとは決して言いません。本当に丁寧な接客を心がけている宿と同様に「心を込めたおもてなし」と表現します。

その結果、「本当に丁寧な接客をしている旅館」も「そうではない旅館」も、言葉にしてしまえば全く同じになってしまうのです。実際に泊まれば違いはわかります。ですが、見込客は実際に泊まる前に文章だけでどの宿を予約するか判断します。つまり「ありきたりのきれいな言葉」を並べるだけでは、違いは伝わらないのです。

苦しまぎれに「かつてない!!」「世界初!?」などといった、「煽(あお)り言葉」で飾り立てるプレスリリースもよく目にします。ですが書いている本人も本当に「かつてない」ものだという自信がないので、「!」のあとに「?」を書き添えたりしています。

残念なことに、世の中にはこうした実態の伴わない「煽り言葉」が溢(あふ)れ返っています。読み手に簡単に見透かされてしますので、何の効果もありません。

「ありきたりのきれいな表現」や「実態の伴わない煽り言葉」は誰にでも書けます。自分の社名や人名を同業他社と入れ替えたとしても、見出しや本文がそのまま使えてしまうようでは相手の印象には残りません。「同業他社には当てはまらない、あなたにしか書けない表現」でなければ、強い表現とは言えないのです。

印象に残るためにできることは?

「きれいな単語」や「煽り言葉」を一生懸命並べた結果、誰の印象にも残らない言葉になってしまうという「罠」を避けるには、どうしたらよいでしょうか。ひとつは「数字や名詞を用いて伝える」という方法があります。

「徹底したこだわりで高品質を実現」だと、たとえば「98回の試作を重ね、業界標準規格を20%上回る精度を実現」など、数字を加えることで説得力を増すことができます。「新鮮な素材を活かした料理」であれば、「小田原港で獲れた魚をその日のうちに直送して調理した海鮮丼」などと地名を書き加えることで、生き生きとした印象を加えることができます。

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