誰にも届かない「残念なプレスリリース」の特徴 自社と他社を差別化する為に必要な「3大工夫」

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ありきたりの美辞麗句をいくら並べても、相手の記憶には残りません(写真:MediaFOTO/PIXTA)
「商談や会議の場で、どんなに真剣に訴えても相手の気持ちを動かすことができない。プライベートでも、人付き合いが得意じゃない……そんな悩みを抱える“伝え下手”な人にとって、既存のハウツー本やセミナーは『実践するにはハードルが高すぎる』ものがほとんどでした」
そう語るのは、PR戦略コンサルタントの下矢一良さん。テレビ東京で、『ワールドビジネスサテライト』『ガイアの夜明け』の制作に経済部キャップとして関わり、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、前澤友作、孫正義など500を超す超一流のビジネスパーソンと直接対話した経験を持つ人物です。彼らとの対話を通じて、下矢さんは「伝え下手な人が、うまく伝える法則」を体系化。「ストーリー」「資料」「体当たり」という、たった3つの要素から成るシンプルなプレゼン術です。
本記事では下矢さんの新著『巻込み力 国内外の超一流500人以上から学んだ必ず人を動かす伝え方』より一部抜粋・再構成。「自社と他社を差別化するために必要な3つの工夫」というテーマでお届けします。

本当にいいものでも、褒め称えるだけでは全く伝わらない

私はPR戦略コンサルタントとして中小企業の支援をするなかで、数多くのプレスリリースを読んできました。長年、多くのプレスリリースを読んで見えてきた敗因のパターンのひとつに「きれいだけど印象に残らない言葉で、自分を飾り立ててしまうこと」があります。

「安全で高品質、そして低価格で提供します」

「こだわりの材料を選び抜いて、ひとつひとつ丁寧につくりました」

「心を込めたおもてなしでお迎えします」

このような「どこかで聞いたことがある美辞麗句」で、自分たちのことを表現してしまうのです。書いている本人は頑張って、きれいな文章でまとめたつもりになっています。ですが、読んだ側は「安全で高品質」を真に受けることはありませんし、記憶にも残りません。

ありきたりの美辞麗句をいくら並べたところで、他者との違いは伝わりません。というのも、全員が結局、同じことを言うからです。

次ページ旅館を例に考えてみると…
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