米国映画「未成年ヌード強要」54年後に訴訟の必然 時効撤廃の期限前に「#Me Too」の声が続々

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このニュースを聞くと、おそらく多くの人は、「どうして今さら?」と思うのではないか。なにせ半世紀もの年月が経っているのだ。だが、このタイミングだったことには、ちゃんとした理由がある。この訴状が提出された日が2022年12月30日であったということがカギだ。

時効撤廃の期限が迫っていた

「#Me Too」運動の勃発した後、カリフォルニア州では、未成年に対する性虐待への時効が一時的に撤廃された。その期間は一度延長され、最終期限が2022年いっぱいだったのである。12月31日は土曜日だったので、ハッセーとホワイティングは、まさにギリギリ滑り込んだことになる。

先月下旬には、エアロスミスのリードシンガー、スティーヴン・タイラーも、1970年代に3年交際したジュリア・ホルコムという女性から児童に対する性的虐待で訴えられているが、それも同じ理由だ。

タイラーに出会った時、ホルコムは16歳。年齢のことも、ホルコムの家庭の事情が複雑なことも聞いたうえで、タイラーはホルコムと肉体関係を持った。未成年を連れて州を越える旅をするには両親による同意の手紙が必要とあって、タイラーは、その面倒を避けるために、ホルコムの母に頼んで自分を法的後見人にしてもらうことまでしている。

タイラーとホルコムの関係はこれまでにも知られてきたこと。タイラー自身が回顧録に「ティーンの花嫁をもらったようなものだった」「彼女の母は私をとても気に入り、州外に彼女を連れて行っても私が逮捕されないよう書類に署名してくれた。それで私はツアーに彼女を連れて行ったのだ」と堂々と書いていることを見ても、タイラーにとっては華やかな女性遍歴のひとつだったのだろう。まさか後に訴訟されるとは思ってもいなかったに違いない。

だが、17歳でタイラーの子供を妊娠するも、彼から人工中絶を強要され、それをきっかけに別れて故郷のオレゴン州ポートランドに戻ったホルコムにとって、それはとても辛い過去だった。まだ子供で、家庭も不幸だった自分は、手懐けられ、良いように利用されたのだと、大人になるにしたがって、彼女は気づいたのだ。

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