ゼロコロナ緩和でも経済が回りそうにない中国 ファンキー末吉が見た中国広州・マカオでのドタバタ

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これですべての準備はできた(はず)。当日はアモイから朝一の高速鉄道に乗り、午前11時53分にマカオ対岸の珠海に着くのだが、サウンドチェックは12時から始まるという。間に合うのか。

主催者は珠海に着いたら車が待っていると言うのだが、車で国境(?)を越えるのか。深圳から香港へは車で越境したことがあるが、その時は出入国手続きのために車から降りて長い列を並んで入国したら車がそこで待っててという手順であった。

「車に乗ったら20分で会場に着くから」と言われていたが、以前は出入国の手続きで1時間以上待たされたことがあったので不安である。珠海駅に着いて車の運転手に電話をするのだが、「A出口を出て拱北口岸(GongBeiKouAn)に進め」とのこと。珠海駅A出口と拱北口岸は隣接していて、「口岸」というぐらいだからボーダーなのであろう。

パスポートにスタンプを押されて「出国」である。出国してからマカオに入国(?)するまでは、ここは中国でもマカオでもない。

入境自体はそこで生成したQRコードでかなり自動化されているのだが、やはり「外国人」ということで違う窓口でいろいろと手続きをやらされる。結局40分かかって無事に入境し、待ち構えていた車に飛び乗って会場へ。

マカオの人口の7~8割が感染との噂

着いて初めて仕事の詳細がわかるのは「中国あるある」だが、ここで初めてこのイベントが何かの商業イベントであることがわかる。

会場はマカオタワー下の広場。無事にサウンドチェックも終わり、街を探索してみる。以前来た時(と言ってもコロナ前だが)と違って、日曜の夕方なのに街に人っ子一人いない印象だ。観光客がいないというのが理由の1つであろう、マカオ統計局によると、2022年11月の入境者は前月比で36.8%減、前年同月比で54.3%減の36万6511人だったというから、コロナ前から比べるとかなりの減少であることは確かである。

ところが、それ以上にマカオはコロナ感染者が異常に多いというのもあると思う。これも政府が正式な数字を発表しないので定かではないが、地元の人の話では今恐らく70~80%のマカオ人がコロナに感染しているらしい。

そうなるとイベントの観客の入りが心配されるのだが……。

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