ゼロコロナ不満爆発「中国」で何が起きているのか 週末に各地でコロナ抗議活動が勃発した真相
火災は中国西部のアパートの15階にある、寝室の電源タップの不具合から始まった。消防士は消火に3時間を費やしたが、少なくとも10人の死亡を防ぐには遅すぎた。たんなる事故で済んだかもしれないものが、悲劇に変わり、地元の指導者にとっては政治的頭痛の種となってしまった。
多くの人々は、新型コロナ感染予防のロックダウンが救助活動を妨げ、犠牲者を家の中に閉じ込めたのではないかと疑い、当局はそれを否定したが、怒りのコメントがソーシャルメディアに殺到し、火災が発生した都市では住民が通りに集まった。
大学のキャンパスでは白紙を掲げ無言の抗議
新疆ウイグル自治区の首都ウルムチでの出来事は、中国共産党に対する国民の怒りをここ数年で最も反抗的に噴出させたといえる。この週末、中国各地の都市では、数千人がろうそくと花を持って集まり、火災の犠牲者を悼んだ。
大学のキャンパスでは、学生たちが白紙の紙片を掲げて無言の抗議をしながら追悼の意を表した。上海では、共産党とその指導者である習近平国家主席の退陣を求める住民もおり、これはめずらしくも大胆な挑戦であった。
習近平は党首として3期目の任期を確保し、ここ数十年で、中国で最も支配的な指導者としての地位を固めたが、この怒りは同氏に対する新たなプレッシャーとなっている。