ゼロコロナ不満爆発「中国」で何が起きているのか 週末に各地でコロナ抗議活動が勃発した真相

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多くのデモ参加者が新型コロナ制限緩和を訴えたのに対し、一部の人々はより広範な政治的要求を行う機会を捉え、ゼロコロナの非人道的な範囲をこの国の権威主義体制と結びつけた。

日曜日、数百人の学生が北京北西部にある清華大学のキャンパスに集まった。ここは、新型コロナによる制限により、数週間にわたってほとんど外出が禁止されている。

「民主主義と法の支配を」と、群衆は唱えた。「表現の自由を」。

その日のうちに、清華大学は、旧正月休みの前の通常より早い今週、学生に無料の飛行機と鉄道での帰省を提供すると発表した。

北京では100人が集まった

日曜日の夜、北京の亮馬橋の近くでは、少なくとも100人が集まり、ろうそくを灯し、白い紙を掲げて、検閲に対する暗黙の抗議を行った。群衆は上海のデモ隊に励ましの声をかけた。他の人々は橋の上に立ち、やはり白い紙を掲げ、通り過ぎるドライバーはクラクションを鳴らしていた。

ある女性は「私たちが欲しいのは嘘ではなく、敬意だ!」と叫んだ。「指導者ではなく、投票用紙が欲しい」と、習近平のことを指して言った。

2019年末にパンデミックが発生した中国中部の都市、武漢では、数百人が通りを歩き、中には近隣の封鎖を実施するために設置された障壁を引きずり下ろした者もいた。

今回の抗議は、中国当局が今月、パンデミック対策の範囲を限定する20項目の計画を発表した後、新型コロナ規制が徐々に緩和されるとの期待を受けたものだった。この計画に基づいて、人々は地方政府が濃厚接触者追跡や集団検疫を縮小すると予想していたが、新型コロナ感染者が急増すると、当局は従来と同じ、徹底的な戦術を復活させたのである。

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