ゼロコロナ緩和でも経済が回りそうにない中国 ファンキー末吉が見た中国広州・マカオでのドタバタ

✎ 1〜 ✎ 49 ✎ 50 ✎ 51 ✎ 52
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
<マカオ訪問者の隔離と到着時PCR検査が廃止>マカオ政府は本日12月23日(金)より、海外および香港・台湾からの入境者に対しての「5日間のホテルまたは住居での隔離」と「到着時のPCR検査」を廃止しました。
 マカオへの出発前72時間以内に受検したPCR検査の陰性証明書の提出は引き続き必要であること、入境翌日から5日間連続で迅速抗原検査(RAT検査)を受けて、マカオ健康コード(Macau Health Code)に結果をアップロードする必要があります。また、マカオ入境から8日間は中国本土に入境できないという制限も続きます。

 

この「マカオ入境から8日間は中国本土に入境できないという制限」が、私にとっては大きな問題である。これでは8日間マカオに「隔離」されるのと同じではないか。さっそくクライアントにこの情報を伝えると、「歌手はその後に上海で仕事があるので、中国本土に入境できないはずはない」という返事。

しかしそれは「中国人に対して」だけである可能性もある。念のためにマカオ政府に確認を取ってもらうが、これは「香港、台湾、外国」から入境した人間に対してであって、中国から入境した外国人が中国に帰る場合も問題なく入国できるという。

「身代わりに検査してもらえ!」

胸をなで下ろして正式に仕事のオファーを受け、ツアー先でマカオ入境準備を始める。まずはPCR検査である。もうはるか昔のことのように感じるが、全国でデモが起こり、若者たちが口々に「PCRは要らない、自由をよこせ」と叫んでからまだ1カ月も経っていない。つい最近のことなのだ。

これに対し、中国政府はまるで駄々っ子に戒めとするかのように「じゃあ、もうどうなっても知らないからな」とばかり強制的にPCR検査を廃止にした。そしてどうなったか。PCR検査場がどんどんなくなってしまったのである。

ツアー先でPCR検査場を探すのだが、地図アプリ上で表示される検査場のほとんどは、行ってみるともう閉鎖されてしまっているのだ。そして「PCR検査をしても結果が反映されない」ということもひんぱんに起こっている。

北京の私の友人は、私と飲みに行くために(当時北京では飲食店に入るのに陰性証明が必要)、PCR検査を毎日毎日受けても8日間、何の結果も表示されなかった。これは検査場とともに検査結果を分析する機関も少なくなっているために、検査結果が追いつかないのだと思われる。

まずツアー先の広州で検査を受け、次のアモイでも検査を受け、そのどちらも結果が反映されない場合は、私はマカオには行けないということになる。また、クライアント側は私はひょっとしてまだ陽性であった場合のことを心配している。

「Funky、こちらでは絶対に陰性である人間に身代わりに検査してもらってるんだ、お前もそうしろ」

そんなことができるのか……。この3年間のゼロコロナ政策の中で、中国人は「上に政策あれば下に対策あり」とばかりいろんな抜け道を考えて生き延びてきた。考えてみれば、広州でのPCR検査は、広州の健康アプリに外国人の場合はそのパスポート情報を入力して、現れたQRコードをスキャンして検査を受けるのだが、結局それが本人であることは誰も確認しないので、身代わりであろうが同じようにパスポート情報を入力すれば、検査結果は私のアプリに反映されることとなる。

次ページアプリの操作で一苦労
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事