「仕事休むのが怖い」を40歳で脱した男に起きた事 なぜ私たちはワーカホリックをやめられないのか

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ーーそれまでWeb制作の経験があったんですか?

永井:なかったです。ただ、石川にいたときから、その制作会社のライターの仕事をバイトでやってたんですよ。未経験なので報酬は高くなかったですけど、結構楽しくて。

キャリアブレイク連載、1回目です

あるとき、その会社が経理の募集を始めたんです。僕はなんとか状況を変えたかったので、経理も未経験だけど、思い切って応募して。そしたら、「永井さん、経理はできないかもしれないけど、ちょうどメディアの仕事を増やしていきたいと思ってるから、体験入社してみます?」って返事があったので、3日間東京に行って、体験入社させてもらって。そのあと幸い採用していただいて、上京しました。親からは反対されましたけどね。

ーー35歳でまったくの未経験から、Web制作の世界に飛び込んだと。それも住みなれた土地を離れて。すごい行動力ですね。

永井:石川にいた頃は、「このままだとダメになる」って危機感がかなりありましたからね。

Web制作会社でしばらく働いたあと、イベント制作会社に転職したんですけど、個人でやっていた映画ライターのほうに比重を置いていきたいなと思って、ふたたび独立しました。そしたら、「休むとダメになってしまう」という怖さがまた強くなったんです。

ーーそれはなぜだったんでしょう?

永井:お仕事を断ったら、次の依頼が来ないんじゃないのかと不安で。休むことが怖いから、どんどん休めなくなって、しんどくなっていったんです。

本当は、休んでも大丈夫なんですけどね。誰かに怒られるわけじゃない。自分で勝手に「誰にも迷惑かけないぞ」っていう理想を作ってたんです。

誰かが仕事を休むときには、「お大事になさってください」って言えるんですけどね。いざ自分が休むとなったら、「迷惑なんじゃないか」って考えてしまっていたんですよ。

あ、死ぬのかもしれない

永井:そんななか、独立して半年くらいで、病気のことがわかりました。最初はひざやひじなどの関節が痛み出した。筋肉痛かなと思ったんですけど、痛みがなかなかとれないんです。

おかしいなと思って、病院に行くんですけど、原因がわからない。だんだん痛みが増してきて、寝ているときに身体を起こせない日もあるほどになってきて。

ーーそんな状態だと、仕事もできないですよね。

永井:はい。取材もアポ取りもできず、仕事ができないので、収入は月に5万~6万円ほどになりました。妻も働いていたので、なんとか生活はできましたけど、経済的にも精神的にも苦しかったですね。

あるとき、大きい病院で専門的な検査をしたら、やっと国の指定難病である「皮膚筋炎」だとわかったんです。「皮膚筋炎」は、普段は自分を守ってくれてる免疫が、自分の筋肉や皮膚などを攻撃してしまう病気です。症状は人によってかなり違うんですけど、お医者さんは「永井さんはかなり危ない状態なので、すぐに入院してください」と。

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