エリートはなぜ「適度なストレス」を欲するのか 自信をつければマイナス部分も受け入れられる

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いわゆる優秀な人というのは、周囲からすぐに褒められます。それで自信過剰になったり、逆に「安心してはいけない」と思うあまりに焦って、ストイックになりすぎてしまいがちなのです。そんな中でFさんは、自分の能力を、冷厳なまでに正確に把握していたのでした。

オランダ人らしい合理主義の賜物ともいえるかもしれません。

「自分に何ができるのか」はさておき、「自分に何ができないのか」をきちんと見積もることは、意外に難しいもの。それは、皆さんにも経験があるのではないかなと思います。

Fさんの、自己に対するそうしたクリアなまなざしは、友人として見ていてもとても気持ちのいいものでした。同僚たちは皆、そう感じていたと思います。またそれが、Fさんの人柄の魅力でもあったのです。

自信をつけることでマイナス部分も受け入れられる

彼の、自分自身のマイナス部分を受け止める力は、仕事をこなす技術とはまったく関係のない「人間としての自信」に由来しています。ゆるぎない自己肯定の基盤を持っているからこそ、自分のマイナス部分も悠然と受け止め、分析することができます。そして彼は、そこからいくらでも成長していくことができたのです。

ということで、自己分析を始める前に、自分のプラス部分とマイナス部分を正確に把握するための、「人間としての自信」を築いていくことを提案したいと思います。

自信を築くためによく効く方法を紹介しましょう。まずは、自分の最も嫌いな部分、それも思い出したくもないような後悔している出来事を、どんどん挙げていきます。次に、それらを徹底的にポジティブに捉え直していくのです。

この方法は、臨床心理における認知行動療法でよく使われる「系統的脱感作」に近いものです。精神的にしんどい作業かもしれません。

でも、この作業によって、プラスがゆるぎないものになったら、あなたはもうどんなことにも動じません。時間はかかるかもしれませんが、この先いくらでも飛躍していける、成長の基盤を手に入れたも同然なのです。

ドイツ人のEさんは、神経内科の優秀な医師。研究に対する意欲が高く、臨床もこなしながら、研究者としてのキャリアを積み上げていっている女性です。

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