この「③ホイップクリーム」ですが、表示が実にわかりにくい。
市販の「ホイップクリーム」の表示を見ると、「乳等を主要原料とする食品」と書いてあります。これを見たら、みんな「生クリームが主成分」だと思いませんか?
でも、今述べたように「ホイップクリーム」の主原料は「植物性油脂」です。
つまり、この表示は「乳製品を主成分としてつくった」という意味ではなく、簡単にいえば「乳製品の性質を"主要原料"としてつくった(一番多く使った"主成分"ではないけれど、メーカーとしてはこれを"主要の原料"と考えてつくった)」という意味なのです。
「あくまでメーカーにとって主要な成分である」ということをいっているのですが、こんな「消費者にとってわかりづらい表示」がまかり通っているのはおかしいと思いませんか?
「ホイップクリーム」の油の安全性は?
わかりづらい表示もさることながら、私が危惧しているのは「ホイップクリーム」に使われる「植物性油脂」の安全性です。
「植物性油脂」というと、たんに「なたねやコーンなどの植物から抽出した油」と思うでしょう。でも「植物性油脂」といっても、実際には「精製加工油脂」の可能性が考えられます。
「精製加工油脂」というのは、「植物性油脂」を高度に精製して人為的に加工を施したもの。「精製」とは、油に含まれる余計な成分を取り除くことをいいます。
マーガリンやショートニングなども「精製加工油脂」の一種ですが、食べる側としては「安全性の不安」がつきまといます。
というのも「精製加工油脂」は「加工」の工程で「水素添加」などが施されることで「トランス脂肪酸」と「ジヒドロ型ビタミンK1」が発生することが指摘されています。
「トランス脂肪酸」は動脈硬化や心臓病のリスクを高めかねない「健康に悪い油」です。また「ジヒドロ型ビタミンK1」は脳出血を促進させるリスクがあるとして安全性を疑問視する声もあります。
「ホイップクリーム」や「ショートニング」「バタークリーム」「マーガリン」などの乳製品には、この「精製加工油脂」が使われていることが多いのが実態だと思います。
そもそも、この手の「ホイップクリーム」は、安っぽい味がして私にはちっともおいしさがわかりません。「ホイップクリーム」のほうが「生クリーム」に比べると食感が重いので、それを好む人もいるのでしょうが……。
そして、大量生産される「市販のケーキ」には、この「ホイップクリーム」が使われていることが少なくないのが現状なのです。
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