「挫折」なき「挑戦」はない
今の青学の選手たち、ひいては日本社会全体が「挫折不足」であると私は考えています。
そう言うと、「そんなことはない!」という声が選手たちから聞こえてきそうです。 たしかに、箱根駅伝で優勝を逃した、出走メンバーに選ばれなかった、目標タイムに届かない……そういった悩みは多かれ少なかれ選手みんなが抱えています。
ですが、私はそういったことは挫折のうちには入らないと考えています。 誤解のないように付け加えておけば、彼らの悩みは小さく、意味がないというのではありません。
一言でいえば、彼らは恵まれている。
スポーツの一流校になればなるほど、その内実は実業団やプロチームと大きく変わりません。監督やコーチがいて、トレーナーやマネージャーがいて、スカウトマンがいる。そうした専門家に支えられて、言うなればすでにレールは敷かれているのです。
そこまでお膳立てされた環境の中で上手くいかないといっても、そんなものは挫折ですらないのです。
そういう意味では、いわゆるスポーツエリートではない普通の部活としてスポーツをしている学生たちのほうが、はるかに挫折を経験しているかもしれません。
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