「自分を不幸にする人」が陥りがちな思考のクセ コロナ騒動でも暴発する「不安」の正体
不幸の原因「ピン」を見つけなさい
アランの『幸福論』は、カール・ヒルティ、バートランド・ラッセルと並ぶ「世界三大幸福論」の1つといわれています。この本を読み進めていくと、「幸福論」という書名とは裏腹に、書いてある内容は「不幸論」だということがわかります。「こういう考え方をしていると不幸になるよ。だからこうしましょう」というアドバイスをしているのです。
「赤ちゃんのエピソード」は、まさにその象徴です。泣き叫ぶ赤ちゃんに困り果てた乳母は、「これは未熟な性格のためだ」「きっと父親からの遺伝に違いない」と思い悩みます。
しかし、赤ちゃんが泣き叫んでいた原因が、産着にピンが挟まっていて、痛がっているだけだったら、どうでしょう。乳母は誤った考えを巡らせるだけで、赤ちゃんが泣いている原因を探ろうとさえしなかった。その結果、問題はますますこじれてしまった、ということになります。
こういうことは、私たちにも往々にして起こりがちです。目の前の悩みの原因を探ろうとせず、ただ「どうしよう」と不安がったり、「もうだめだ」と悲観したり、時には怒りを爆発させたりする。ひどいときには間違った方向へ暴走していく。これこそが「不幸になる考え方」の典型的なパターンなのです。
では、そんなときどうすればよいか。