産後1カ月の女性に訪れた予想外の「大ピンチ」 メンタルは強いと思っていたのに涙があふれた
そんなふうに穏やかに過ごしていたのだが、帰省から数日が経ったある日の深夜1時、異変が起こった。この日はベッドに寝かせた瞬間、スイッチが入ったかのように「ンンン」と唸りながら顔をゆがませ、すぐ大声で泣いてしまった。試行錯誤を繰り返しているとあっという間に2時間が経過し、次の授乳時間を迎えていた。結局4時過ぎまで一睡もできず、気づけば窓の外は明るくなっていた。
泣き止まないのは「自分のせい」かもしれない
たまたま寝なかっただけで、明日はいつも通り眠ってくれるんじゃないかと淡い期待を抱きながら、翌日、また翌日と夜を迎える。最初こそ「まあ、この生活が一生続くわけじゃないし」と楽観的に乗り越えられていた私だったが、毎晩、深夜1時から3時過ぎまで泣き続け、やっと眠ったと思ったら4時にまた目覚めるといったブラック企業顔負けのサイクルを繰り返しているうちに、不安が募るようになった。
あまりに泣き止まなさすぎる。もしかして、ベッドに寝かせるのが雑すぎて、知らないうちに骨折とかしてたりする? 抱き方が壊滅的に下手すぎるとか? 私のこと、生理的に無理とか? 原因を探せば探すほど、母としての自分のダメさに目がいって、精神的ダメージが蓄積される。「つらい」という思いが心に充満しそうになるたび、もう1人の私が野党みたいに「その子は手がかからない子だろーッ!」と、野次を飛ばす。
日中、母が息子を見ていてくれる間は仮眠を取ることができるのだが、泣き声が聞こえてくるとどうしても気になって、せいぜい1時間ほどしか休むことができない。夜中の対応を代わってもらうことも考えたが「手のかからない子」を育てているはずなのにこれ以上を望むことは許されない気がして、母を頼る勇気が出なかった。
次第に、理由もなく涙が出たり、ミルクを作るのに集中できず多めにお湯を入れてしまったりするようになった。これはもしかして、自分にはまったく無縁だと思っていた「マタニティブルー」なのか。なんならそれをすっ飛ばして、「産後うつ」になってしまっているんじゃないか。不安になるだけだとわかりつつ、私は検索する手を止めることができなかった。
ある日の深夜。息子をあやしていると、自宅で過ごす夫からLINEで1枚の画像が送られてきた。バズッているTwitterのつぶやきをスクショしたものだった。そこにはこう書いてある。「振り返ると、新生児期の育児なんて楽勝だったな。2歳台はイヤイヤ期で毎日げっそりしてるよ」。
夫はそこに「本当の地獄はこれからなんだろうね……」とコメントを添えていた。「は?」としか思えなかった。1人目の育児で何もわからない中、今まさに疲弊しながら過ごしている私にそれを伝えて、いったいどうしたいわけ!?「お前が今やってること、全然たいしたことないよ(笑)」と、小馬鹿にされているように感じてしまう。
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