フレンチの巨匠が「スーパーの食材」で作る深い訳 三國清三シェフ「料理人人生に"置き忘れたもの"」
東京・四ツ谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」開業以来、日本のフランス料理界を牽引してきたシェフの三國清三さん。北海道の半農半漁の町、増毛郡増毛町から上京、帝国ホテルの初代総料理長村上信夫氏に才能を見出されて、スイスやフランスの名店で腕を磨きます。
1985年、30歳で「オテル・ドゥ・ミクニ」を開業するや「一億総グルメ」と呼ばれた時代とも合致して、ミクニを予約の取れない店に押し上げました。最近はYouTubeチャンネル「オテル・ドゥ・ミクニ」が好調で、2022年12月現在、チャンネル登録者数38万人を数えます。
『三國シェフのベスト・レシピ136 永久保存版』は、その配信で人気のレシピを書籍化したもの。三國さんに、チャンネル開設のいきさつや修業時代に学んだグランシェフたちの料理哲学、また「第一章が終了します」と発表された「オテル・ドゥ・ミクニ」の今後と、70歳を目前にした三國さん自身の目標について聞きました。
最初の収益は「380円」
――YouTubeチャンネル「オテル・ドゥ・ミクニ」では、新たなレシピを毎日のように更新されて大変人気を得ています。チャンネル開設のいきさつを教えてください。
3年前、コロナ禍で飲食店に営業時間の短縮要請が出て、4月・5月と一時休業を余儀なくされました。開業以来初めてでした。これまでどんなときもお店を閉めることはなかったんです。
僕は仕事も趣味も料理みたいなものですから、休業期間中何もすることがなくて、そんなときに「インスタグラムやりましょうか」という話になりました。
2、3週間して「シェフ、YouTubeなら収益化できます」って言われて、1カ月か2カ月後かな、初めて380円計上されたときはびっくりしたね。本当にお金になるんだ!って。僕が監督って呼んでいる広報の女性を含め5人ぐらいでチームを組んで、どうすれば一番喜ばれ、ニーズに応えられるか本気で考えています。
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