高級寿司屋の大将が怖くても許される納得理由 客には「徹底的に尽くすのがいい」の落とし穴
高級サービスほど、どこか高飛車でも大繁盛
私たちは「お客様に気を配り、徹底的に尽くすのがサービスだ」と思っている。しかし不思議なことに、高級サービスほど「細やかに気配りし徹底的に尽くす」とは一見正反対だ。
例えば高級すし屋。ミシュラン三つ星獲得の「すきやばし次郎」はオバマ元大統領も訪れるほどの世界的な店だが、店主の小野二郎氏はまさに頑固一徹。ニコリともせずに「おまえ、誰だ?」という声が聞こえそうな顔で出迎えられる。
店内には緊張感が漂い、とてもすしを楽しみながら世間話ができる雰囲気ではない。さらに食べ終わるまで値段もわからない。しかも高い。お値段は「お任せ」コースで4万円(税別)からだ。
高級フレンチもしきたりが多い。まず予約は必須。最低限、ジャケット&革靴着用。Tシャツ、音を立てて食べる、ワインの一気飲み、落としたフォークを自分で拾う、すべてNGである。
高級サービスほど、どこか高飛車な感じがしてしまう。しかし大繁盛なのだ。
現代のマーケティングでは「サービス・マーケティング」がホットで、さまざまな理論が生まれている。しかし従来のサービス・マーケティング理論では、高級サービスでこのように緊張感を強いられ、しきたりも多いという現象が説明できなかった。
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