いきなりステーキと「俺フレ」明暗分かれた理由 継続的「差別化要因」は商売の上流で作りやすい

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差別化要因の1つ「仕入れ」を多角的に考える(写真:kouta/PIXTA)
東大を中退後、起業し、年商10億円以上に成長させ、Twitterでのフォロワー数は3万を超す事業家bot氏。

その事業家bot氏の新著『金儲けのレシピ』では、ビジネスモデルや経済学、人間の本質に関する考察などから導き出した「商売で必要な15の原理原則」が紹介されています。本稿では同書より一部を抜粋しお届けします。

ビジネスには大きく分けて2種類ある

ビジネスは、大別すると2種類ある。

「安く仕入れて普通に売る」ビジネスと、「普通に仕入れて高く売る」ビジネスである。

この2種類のうち、私は「安く仕入れる」ことに競争優位性を置くほうがいいビジネスであると考えている。理由としては、「高く売っている」ということは外部から観測されやすく、結果として競合の参入を招きやすいからである。

例えばスターバックスのコーヒーがドトールより高く、プレミアムが取れていることは、明らかに公知の事実であり、結果としてドトールによるエクセルシオールという新ブランドの立ち上げや、タリーズコーヒーの日本参入などが起きている。

これに対して、「安く仕入れる」タイプのビジネスは、なぜ安く仕入れることができるのか、なぜこの値段で利益が出るのか、という点について秘匿しやすく、結果として、儲かっているという事実を長期間隠すことができるのである。

つまり、商売のうち、継続的差別化要因を作りやすいのは、商売の工程において上流に差別化要因があるほうがよく、販売よりは仕入れ、流通などにおいて差別化が設計されているほうが望ましいのだ。

注)
スターバックスの人気を見たドトールコーヒーが、緑色のスタバのロゴに酷似したロゴを用いて「エクセルシオールカフェ」としてエスプレッソ系カフェ業態に参入した。スターバックスがロゴの使用差し止めを求め、ドトール側がロゴを青に変更することで和解した。
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