いきなりステーキと「俺フレ」明暗分かれた理由 継続的「差別化要因」は商売の上流で作りやすい
もともと、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は、ブックオフの創業者である坂本孝氏が立ち上げた飲食系ベンチャーである。
俺のイタリアンの基本的な戦略は、
②食事を高原価率にしておけば、ワインなど飲み物に関しては通常の原価率でも注文が出る
③料理の高品質を支えるシェフは、3つ星レストランなどででっち的に働いている安月給の人間を雇うことができる
という3つの戦略筋に支えられていた。
数段深い「俺のイタリアン」の仕入れ
ところが、「いきなり!ステーキ」は、「立ち食いで高回転」という表層だけの差別化要因を真似して参入し、参入当初は勢いがあったが、その後急激に失速してしまった。
実際のところ、最重要な差別化要因は「高品質を支える3つ星レストラン出身のシェフ (かつ彼/彼女らの給与は不当に安いことが多いので、少し給与に色をつければ引き抜くことができる)の雇用」という点にあった。
つまり、俺のイタリアンの究極的な差別化要因は「料理人の仕入れ」という点にあり、差別化要因がいきなり!ステーキよりも数段深いところに設計されているのである。
もっとも、この戦略は坂本氏の著書によってほぼ公開されているので、今後同様の戦略を取る飲食ベンチャーの参入による競争激化も予想されることである。
安く仕入れられる秘密のルートを作れ
外から見えないところで差別化しろ
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