中学受験に失敗「不登校」になった彼が選んだ道 「フリースクール」に通い始めて救われた

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次に、夜になかなか眠れなくなる、すなわち「不眠」です。子どもが不眠になると、親は、「夜おそくまでスマホをさわっていたからでは」「ゲームのしすぎでは」と考えがちですが、実は学校で受けているストレスが原因であるという子どもも多いのです。

そして、自分や他人に対して暴力が向かうケースです。いつもイライラして、ペットやきょうだいをいじめたり、自分の髪の毛を抜き始めたり、つめをかみ始めたりしたら、子どもは非常にストレスを感じていると考えたほうがいいでしょう。

最後に、「シャットアウト」という状態です。自分の世界に入りきってしまい、他人との交流を拒否したがる状態です。たとえば、いつもは元気だけど、日曜日の夜になると急にシャットアウトをし始めて、金曜日に向かうと、だんだん心を開いていくなどの場合は、明らかに学校が原因です。

第三者的立場の専門家に頼ることも検討を

この4つ以外にも、子どもが不登校になる兆候というのは数多くありますし、親からすると「え、そんなところで」と思うほど意外なケースも多くあります。また、学校が原因ではなく、家庭でストレスをかかえている可能性もあります。

『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 

子どもが不登校になると、親は自分ですべてをかかえ込み、「私の育て方がよくなかったのではないか」「この子は意志が弱いのではないか」とさまざまなことを考えがちですが、自分で原因をさがすのではなく、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーをはじめとした第三者的立場の専門家に頼ることも検討してみてください。

最近では、子育てに関するさまざまな相談に乗ってくれるオンラインサービスもふえてきました。

「全国webカウンセリング協議会」はその1つで、いじめや不登校、ひきこもり、家庭内のトラブルなど、さまざまな問題に対し、電話相談料金初回無料で相談に乗ってくれます。登録料金は1000円で、10回までの相談は無料、相談相手はスクールカウンセラーや心理学の専門性を有しているので、安心して相談することができます(東京都全域のみのサービス)。

私は不登校にかかわる取材を始めて20年以上たちますが、不登校を経験した子どもも親も口をそろえて、「学校に行けなくなった原因がわかったのは、しばらくたってから」だとおっしゃいます。現在進行形で苦しんでいるときに、親も子も冷静な判断を下すのはむずかしいのです。ですから、まずは第三者のアドバイスを受けるとよいと思います。

石井 志昂 『不登校新聞』編集長

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いしい しこう / Shiko Ishii

1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳から日本で唯一の不登校の専門紙である『不登校新聞』のスタッフとなり2006年から編集長、2020年からは代表理事も務める。これまで不登校の子どもや若者、親など400人以上に取材し、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者に不登校をテーマに取材を重ねる。「あさイチ」「逆転人生」(NHK)「スッキリ」(日本テレビ)「報道特集」(TBS)などメディア出演多数。不登校新聞社が編著書として関わった書籍に『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)などがある。

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