なにかができないと思っている時、大人の自分が実際にできていないのではなく、子どもの頃に体験したなんらかの「できない」という感覚がよみがえり、その感覚にすっかり巻き込まれていることがあるのです。
ですから、幼い頃の自分に呼びかけるように、「ちゃん」付けにするほうが心に響きます。
自分自身に呼びかけ、「よくやってるね」と認めていく。これはカウンセリング行っている、幼い時に傷ついた心を癒やしていくということにもつながります。
「問題からズームアウトする」という手法
第3章「問題からズームアウトする」という手法も、実際に使っています。
例えば、子育て中の方から、お子さんに対して、つい強い口調で怒ってしまうというご相談をいただくことがあります。
自分がどんなときに怒ってしまうのか、落ち着いて振り返ることで解決の糸口がみつかるのですが、相談者さんは強い罪悪感を持っていますから、その時のことを詳しく話そうとすると、興奮状態になったり、葛藤が強すぎて、うまく自分の内面をみられなくなるんですね。
そんな時、お子さんに怒っている場面を思い出していただき、3人称のテクニックと組み合わせて、「○○ちゃん(さん)は、その場面でどんな様子ですか? どうして怒ったんでしょうか。『私は』ではなく『○○ちゃんは』という呼び名で振り返ってみてください」と質問するのです。
すると、問題からズームアウトできます。罪悪感や怒りといった強い感情から距離を置くことができ、「あんなに怒ってしまったのは、私が大事にしている価値観に反することが起きたからだ」というように、落ち着いてその出来事について話せるようになります。
チャッターは、心理的な葛藤として表れます。
例えば、「土日に休んでいるのに、気が休まらない。もっと有意義に過ごさなくてはと思ってしまう」「会社を辞めたいのに辞められない」などの相反する気持ちがそうですね。
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