「繊細さん」にも役立つチャッターのテクニック 問題と距離を置くことで自分らしく生きられる

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自分の繊細さは良くないもので、隠さなければならない。そう思って、感じないふり、タフなふりをして生きてきた、というお話を何人もの繊細さんから伺ってきました。

本音を大事にしようとお伝えしていますが、本音とはそもそも、体の感覚や感性に根ざしたものです。「これが好き」「キライ」「合う」「合わない」というのは、客観的な数値ではなく、主観的な感覚によるものです。

ですから、感性にフタをしてしまうと、「自分がなにが好きで、キライか」を判断するよりどころがなくなり、本音がわからなくなるんですね。
私が感じたことは、私にとって本当のことなんだ。私が「休みたい」と思ったら、はたからみてどうかは関係なく、休みたいんだ。そうやって自分の感覚を受け止めることが、のびのびと元気に生きる第一歩なのだと思います。

「自分らしい人生」を邪魔するもの

『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

「嫌だと言ってはいけない」「我慢しなさい」「周りにちゃんと合わせなさい」といった「~ねばならない」を頻繁に耳にするうちに、いつのまにか自分でもそう思うようになり、それがチャッターになっていきます。

「休日が有意義に過ごせていない気がして、休めない」というのも、思い返せば私たちは、子どもの頃から「夏休みは有意義に使いましょう」と学校で教えられているんですね。

つまり、社会もチャッターを作っているわけです。社会規範は大事だと思いますが、自分らしく生きるうえでの枷になっている部分もあるのです。

(後編に続く)
(構成:泉美木蘭)

武田 友紀 HSP専門カウンセラー、公認心理師

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たけだ ゆき / Yuki Takeda

技術者としてメーカーに勤めた後、カウンセラーとして独立。HSP向けのカウンセリングと適職診断が評判を呼び、全国から相談者が訪れる。自身もHSPである。著書に60万部超のベストセラー『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)などがある。最新刊は『これって本当に「繊細さん」?と思ったら読む本』(日東書院本社)。

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