「休みたい」「辞めたい」というのが自分の本心だけれど、「これくらいで休んではいけない」「会社を辞めてはいけない」「有意義な日々を過ごさなければならない」といったチャッターが、モヤモヤと頭に浮かんでくるのです。
先程お伝えしたように、私のカウンセリングでは、その声がチャッターなのか、本心なのかを区別していきますが、この時、チャッターを消そうとするのではなく、大事にします。チャッターは意味もなく浮かんでいるわけではなく、役割があるからです。チャッターがなぜ出てきたのか、その真意を読み解く必要があるのです。
「休みたいのに休めない」という相談者さんの場合、「これ以上、仕事を引き受けるのは無理だ」と思っているのに、上司に頼まれると、まるでふらふらと吸い寄せられるように引き受けてしまう、といった状況があります。上司に「がんばります」と意気込みをみせたりもする。
この場合、「休みたい」という本音とは裏腹に、「がんばらなければならない」というチャッターが出てきています。では、なぜそんなチャッターが生まれたのか。そこには、「ダメな奴だと思われたら居場所がなくなる」といった恐怖があります。
現実には休みがとれるし、仕事を断っても大丈夫な職場であっても、その怖さがあるために、「休む」「断る」という選択肢がとれなくなるのです。
その怖さは、幼少期の経験が原因となっていることがあります。ですから、カウンセリングでは、子どもの頃の自分を癒やしていくということを行います。
「生きづらさ」と育ってきた環境の関係
チャッターが起きやすいかどうかは、その人の気質よりも、育った環境の影響が大きいと私は考えています。
たとえ「繊細さん」であっても、「あなたはあなたでいいのよ」「大丈夫だよ」と、安心感のある環境で育つと、生きづらさは感じにくい。
反対に、「なんでそんなに神経質なの」「なんでそのぐらいのことで気にするの」など言われ、のびのびと振る舞えない環境で育つと、自分の感覚がおかしいのだという認識になってしまいます。
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