そうして、転職先の候補として頭に浮かんだのが、ガイアックスだった。事業責任者として再入社し、出産による産休を挟みながら、現在も勤務中だ。
「ガイアックスとは辞めた後も仕事で関わっていたので、距離は近かったんです。他の会社からも責任者などでオファーをいただいていましたが、実際のところ、プライベートとの両立って本当に難しいことなんですよね……。
仕事の立ち上がりの早さだったり、女性の場合は年齢的なこともあったり、それでいて、会社側が個人の人生への理解があるか……仕事とライフイベントを両立することを考えると、よく知っているガイアックスがいいなと思ったんです」
たしかにどんなに優秀な人でも、転職先の会社に適応するには半年から1年ほどはかかるだろう。そして、個人の人生をどれだけ応援できるかも、会社によって大きく異なっている。とくに、長年勤務している社員が産休・育休を取得するのと、転職してきた人が転職から程なくしてそれらを取得する/取得する予定があるのでは、悲しいことだが、許容され方も変わる場合が多いのだ。
その点において、ガイアックスは起業家輩出を応援する事業を営んでいるのも、柔軟性に寄与していたようだ。
個人の人生で成し遂げたいことを応援してくれる会社
「うちの会社には、個人の人生で成し遂げたいことを応援するカルチャーがあります。もともとそれぞれの人生に寛容な社風ではあったけど、数年前から『自分の人生計画』とか『成し遂げたいこと』を共有するようになったんですよね。その結果、起業だけでなく転職や家庭のプランもオープンになりました。それらを共有することにより、周りが協力的に動いてくれたりもするんですよね。
部署の異動なども、基本的に会社の指示ではなく、本人の希望が発端となるケースが多いです。これも、弊社が起業家輩出をビジネスにしてるゆえですが、だからと言って『異動させるんだから、希望を叶えたんだから、会社に骨を埋めろ』という雰囲気もない。自分で会社を立ち上げると、『この人に会うといいかもよ』って周囲が自然に繋いでくれたり。
私の場合、再入社したのは上場7年後でしたが、おそらく、初期のガイアックスでも、いつ妊娠するかわからない私を、受け入れてくれる土壌はあったと思います」
最初こそ「オタク!」と思った会社が、実は自分にとって居心地の良い環境とわかり、さらに年齢を重ねるなかでより噛み締められるようになる……不思議な話である。
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