表情分析家が提言「オンライン会議」のNG行為3選 眉を引き下げている人がいたら議論は一時中止

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「いえいえ、そもそもオンラインミーティングでは表情なんて読めないですよ」とよく言われるのですが、そんなことはありません。場合によっては、むしろ、直に会って行うコミュニケーションより相手の表情を観ることができます。

PC画面に映る参加者の顔をよく観て下さい。参加者の目をじっと観て話してみて下さい。参加者は、どう感じると思いますか。皆さまの視線を感じるでしょうか。ジロジロ観られている感を抱くでしょうか。

答えは、否です。PCに内蔵されているインカメラは通常、PC画面の上に搭載されているので、PC画面上の相手の顔をじっと観ても、相手は見られている感を抱かないのです。ですので、オンラインミーティングのときこそ、相手の表情をじっくり観察できるチャンスなのです。

オンラインミーティングのとき、「カメラ目線で相手に語りかけましょう」というアドバイスが散見されますが、これは、ここぞというとき、に限定した方がよいでしょう。ずっとカメラ目線では、聞き手がどんな様子で、どんな想いで、どんな表情でこちらのメッセージを聞いているのか、わかりません。

独演会に陥らないための秘訣は、聞き手の引き下げられる眉です。眉を引き下げる。この動きによって、眉間にしわが寄ります。これは熟考を意味します。聞き手の顔にこの表情が浮かんだら、「あなたの話を理解するのに苦労しています」「質問がしたいです」「考える時間が欲しいです」「私に発言権が欲しいです」、そんなメッセージを暗に訴えています。これらのニーズに応じられるよう、話の流れを調節しましょう。

引き下げられる眉の例(写真提供:空気を読むを科学する研究所「無断転載を禁ず」)

余裕がある方は、唇にも注目できるとなお良いでしょう。上下からプレスされる唇。唇を一文字に結ぶ表情です。これは、認知的に負担を抱えている状態。先の熟考よりもさらに頭を使う必要を感じている状態です。

上下からプレスされる唇の例(写真提供:空気を読むを科学する研究所「無断転載を禁ず」)

これらの表情が顔に浮かぶのを見たら、議論ストップです。聞き手に発言権を譲る、あるいは、「何か質問ありますか?」と投げかけたりしましょう。

以上、オンラインでは「やってはいけない」3選でした。オンラインで物理的な距離は離れても心の距離は離れないように、久しぶりに再会した物理的なコミュニケーションでは前よりずっと上手くコミュニケーションができるように、一つひとつ丁寧に実践して頂ければ幸いです。

清水 建二 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

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しみず けんじ / kenji shimizu

1982年、東京生まれ。防衛省研修講師。特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本顔学会会員。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。

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