若者の「突然退職」を察知、作り笑いに潜む黄信号 傍から見ると「突然」でも顔にサインが出ている
どんな仕事でも素直にこなしていた部下が唐突に、「もう、ついていけません」と吐露。
さまざまなアイデアや企画を出し、仕事に意欲的だった部下のパフォーマンスが急激に低下。
「頑張ります!」と最も張り切っていたプロジェクトメンバーが急に、「プロジェクトを抜けたい」と言い出した。
マルチタスクで仕事をバリバリこなす優秀な部下が突然、「退職したい」と言い出した。
仕事に対する意欲が「突然」なくなる、仕事のパフォーマンスが「突然」低下する、「突然」仕事を辞めたいと言い出す……。これらは全部、「突然」ではありません。
私たちは、何か達成しようと目的を定めたとき、自身を奮い立たせ、努力や工夫を重ねます。多少の障害があっても、乗り越えたり、適切に回避したりし、目的に邁進する強さを持っています。しかし、それが自分の力ではどうにもならないと思うとき、活動を停止するのです。
葛藤が警告サインとして発せられている
それが傍から見ると「突然」に見える。本人の中では、活動を停止するまでにさまざまな葛藤があるのです。その「突然」が起きる前に警告サインを何度も発しているのです。
上司からすれば、仕事に対する意欲が失われてしまう、あるいは退職という決断を下す前に、「一言、相談してくれたらよかったのに」と思うでしょう。しかし、部下からすれば、「こんなこと上司に相談してよいのだろうか。本音を言ってよいのだろうか」と逡巡しているうちに、ストレスを溜め込んでしまう。これが、「突然」が起きる背景です。
それでは、この「突然」の前兆、警告サインはどのように表れるのでしょうか。また、このサインをどう受け止めれば、「突然」の活動停止を防ぐことができるのでしょうか。
表情分析の専門家として、研究と実務の世界を日々往来する筆者の視点から解説したいと思います。
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