若者の「突然退職」を察知、作り笑いに潜む黄信号 傍から見ると「突然」でも顔にサインが出ている

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それでは、なぜ、怒り>嫌悪>軽蔑の順で要注意なのでしょうか。それは、怒り・嫌悪表情は、部下の大切にしたい価値観を反映しており、部下が(会社やチームという)集団に上手く馴染むことができているかの試金石となるからです。

怒り感情は、不正義や目的達成を邪魔する障害が原因となって引き起こされます。嫌悪感情は、不快なヒト・モノ・言動が原因となって引き起こされます。両方とも、障害や不快を排除しようとする攻撃的な感情ですが、怒りは積極的に、嫌悪は消極的に排除しようとする行動に向かいます。ただ、現実世界では、上司の言動を排除することはできませんので、自らの手で自分を会社から排除する結果になるのです。

言葉とは裏腹の表情になっていることも

日々、仕事のやりとりをする中で、部下がどんな場面で怒りや嫌悪を感じているか知ることで、部下の価値観がわかります。部下の不快になることはしない、あるいは、どのように伝えれば、部下の価値観と共存できるか考えられるきっかけとなるでしょう。

本ケーススタディー以外の場面、例えば、部下の意見を批判する必要があるとき、彼(彼女)らの表情をよく観てみましょう。怒りや嫌悪が浮かんでいたら、価値観を害されたと感じている可能性があります。彼(彼女)らの言い分をよく聞き、それでも批判が必要ならば、彼(彼女)らの見解を理解したことを示したうえで、言うべきことを伝えるとよいでしょう。

価値観に関わることがなおざりにされてしまうことが続けば、その環境・集団で自分らしく仕事し続けることは難しいでしょう。そのうち辞めてしまいます。

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