この新たな「パープルオーシャン」の担い手として、「Z世代の在日コリアンの存在」も見逃せない。
在日コリアン4世・5世に関しては、大部分が「在日コリアン」と「日本人」の結婚により生まれた子どもたちである。
ということは、その子どもも必然的に、「在日コリアン」と「日本人」のダブルということになる。私のおいを含め、親戚も若い世代はほぼそうで、両国のファミリーネームを持ち、ダブルであることを公言している。
以前は「ルーツ」を公言しない人が多かった
近年では芸能人のなかでも、在日コリアンやダブルのルーツを明らかにする人が増えた。これは、「韓国は先進国」というイメージに変わっていったことの影響も少なくない。
まだ韓国が貧しかったころは、植民地支配を受けた国に対する蔑視も強かった。
力道山やつかこうへい、新井将敬や、やしきたかじんといった、強いイメージの著名人が日本での差別をひどく恐れたくらい、「植民地政策のなかで植え付けられた差別観」が社会を支配していたものである。
にもかかわらず近年になって、「日韓併合後の韓国人は、日本人と平等に扱われ、幸せに暮らし、1つになって協力していた」などという驚きの言説が、日本国内で流通するようになっている。
仮にそれが全体的に本当であったら、力道山は「日韓国交正常化交渉時の訪韓」を隠したりはしなかっただろうし、「金信洛(きんしんらく)」という出生名で、空手チョップの代わりにテコンドーキックで、シャープ兄弟とボボ・ブラジル相手に戦っていたはずである。
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