そんななか、重要なのは、今後も増えていく「日韓ダブル」のZ世代が両国関係に肯定的な役割を果たせるよう、その「ユニークなアイデンティティー」を尊重することだろう。
「純日本人か」「純韓国人か」などという視点を超えて
私が出しゃばるまでもなく、すっかり肯定的になってはいるのだが、「自分は日本に行っても韓国に行っても、外国人扱いされる」などと寂しがるのではなく、「希少価値が出せるからええやないか、両国で稼いだるわ!」くらいにたくましく思ってほしい。
そもそも「『韓国人は、日本人と別人種』と考える人の超盲点」で解説したように、元をたどれば、ほぼ皆、多様なルートから来た混血なのだから。
また日本側には、在日コリアンに対して、「日本で生まれて日本語を話すなら、日本人と同じだよね」と同一視せず、異なる背景とアイデンティティーを尊重していただければありがたい。
「そんなに日本に長く住んでいるなら、日本人じゃん」という発言ほど、相手次第では極めて失礼だという感受性を持ってほしいと切に願う。
昨年の東京五輪やSDGsブームで「多様性の尊重」がうたわれてきたが、「日本最大級の民族マイノリティー」である在日コリアンは、多様性インクルージョン(包含)の蚊帳の外扱いされてきた。
東京五輪の開会式に携わった元芸人が、20年以上前にホロコーストを揶揄したと大問題になり解任されたが、ことアジア諸国に対して行った行為に関しては、否定や揶揄をしても、堂々と政治とメディアの世界に君臨できるのは、不思議な限りである。
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