そうやって犬の散歩に一緒に行っても、僕の心はまったく晴れません。ため息をついたり、「もうダメだ」と口にしたりして、どんよりした空気で散歩していました。
そうすると、母に「うるさい!」と叱られるのです。ちょっとでもネガティブなことを口にすると、「私まで気分が悪くなるから、そういうことを言うな!」と。
僕のネガティブを笑い飛ばす叱り方
そして、「今度そうやって後ろ向きなことを言ったら、その都度、お小遣い100円ずつ減らすからね!」と言うのです。そして散歩中にネガティブなことを言うたびに、これみよがしに「あ、チャリンね!」と言っていじってくるのです。
当時の僕のお小遣いは2000円だったので、20回以上「チャリン」が発生すると、お小遣いの日にはニヤニヤしながら「私に罰金分を払え」と言ってくるのです。
……そうやって接されると、不思議なもので、ちょっとネガティブな気分から脱せたんです。勉強に関しては突き放して、生活面に関しては僕のネガティブを笑い飛ばして。そんな母親だったから、僕は2浪してでも、東大を目指し続けられたんじゃないかと思っています。
みなさんがこの話から何を感じるかはわかりません。僕は別に短絡的に「勉強しなさい!」と言わないほうがいい、と言いたいわけでもありませんし、「ネガティブなことを言うと罰金システム」を採用したほうがいい、と言いたいわけでもありません。
ただ、僕の母親は、僕のことを大人だと思って会話してくれていたと思います。子ども扱いしないで、向き合って、痛い目を見たとしてもそれは本人の問題だし、辛そうにしていたら「私が嫌だから」といって同じ目線で向き合ってくれて。
そんなふうに、子ども扱いして向き合うのではなく、自分の責任で生きていかなければならない大人として向き合ってくれたから、今の僕があるのではないかと思っています。それだけは、読んでいただいたみなさまに伝われば嬉しいです。
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