社会や時代の変化に適応する必要があるにもかかわらず、変われない組織は、衰退するほかない。テクノロジーの発展にともなう業務の効率化や、少子高齢化の進行はあらゆる業界に影響をもたらしている。また、働き方についても、場所・時間に縛られないニーズが高まり、昔とは一変している。それでも、コロナ禍以前からすでにそうした兆候があったにもかかわらず、変化よりも前例踏襲を選ぶ会社が少なくなかった。
一方で、従業員のマインドセットや家庭環境の変化をいち早く感じ取り、柔軟に変わることができる組織は、社会や時代の変化を追い風にする可能性を秘めている。
一方で、従業員のマインドセットや家庭環境の変化をいち早く感じ取り、柔軟に変わることができる組織は、社会や時代の変化を追い風にする可能性を秘めている。
累計50万部突破のベストセラー『ライフ・シフト』の著者リンダ・グラットンの新著『リデザイン・ワーク 新しい働き方』をもとに、「変わることができる組織にする方法」について、HRTech(テクノロジーによる人材採用)サービス会社Groovesでデザイン戦略室ゼネラルマネージャーを務める増渕大介氏に語ってもらった。
今「働き方のリデザイン」が必要な切実理由
私たちGrooves(グルーヴス)は、デザインには2つの領域があると考えています。
1つは、プロダクトデザインやサービスにおける体験やユーザーインターフェースのデザインなどを開発することです。
もう1つが、企業やサービスなどのブランド価値を創造することです。
デザインと聞くと、きれいな見た目など視覚情報としてのイメージを持っている人が多いと思いますが、経営の現場では本来の「構想する」という意味、つまり、アイデアやコンセプトといった観念の意味としてのデザインも考える必要があります。
経営において、その最たるものがブランディングです。顧客に対して、特定のイメージを抱いてもらいたいとなれば、そこには一貫したコンセプトが必要になります。
ただし、会社の外に向けて行うものだけがブランディングではありません。会社の内部に対しても、共通のコンセプトを抱いてもらうブランディングが必要です。
なぜなら、ブランドとは、「こんなものを届けたい」という人間が、顧客に対してあふれるほどの思いをもって接するときにはじめて伝わるものだからです。
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