「変われる組織、変われない組織」決定的な違い 生産性を上げるために必要な働き方を作る方法

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ブランドは自分たちの中にあるもの以上のものは表現できません。そこで、私は内部に向けたブランディングとして「EX(エンプロイーエクスペリエンス)」――社員たちが働く中で得ることができる体験――を、再設計する(リデザインする)ことに取り組んでいます。

いま、われわれ組織で働く人間が「本当にいまの働き方でよいのだろうか? もっと改善できることはないか?」と問い直すことなしに、生産性を上げることはできません。ましてや、顧客に喜んでもらえるサービスを提供することは不可能だと思います。

『リデザイン・ワーク 新しい働き方』では、EXは4つのステップによってつくられると書かれていました。①理解する、②新たに構想する、③モデルをつくって検証する、④行動して創造する、というステップです。これはまさしく私たちがやっている取り組みそのものでした。

「なぜ組織は変わらないのか」を突破する法

事業の1つとして、HRTech(テクノロジーによる人材採用)サービスを行っているGroovesでは「はたらくヒトと、未来を拓く。」というビジョンを掲げています。今年の3月に社員全員を集め、こうした自分たちのブランドについて再考する機会を設けました。

「はたらくヒト」という文脈の中には、顧客やビジネスパートナーだけではなく、もちろん自分たち社員も含まれます。自分たちのブランドに何が欠けているのかを話し合った結果、顧客に提供したいビジョンを、自分たちが実践しきれていないのではないかという課題に直面しました。

社員同士がお互いに考えていることを理解できているのか? この会社で働く人が、会社の歴史も含めて組織のことをどれだけ知っているのだろうか?

こういったことについて何度も話し合いを重ねることは、会社の原点はなんだったのか、自分たちの内面を見つめなおす、よい機会だったと思います。

社員の働き方を把握し、個々人にどんなニーズがあるのかを知るということをくり返して、どんな働き方が最適なソリューションかを考えました。

会社の歴史や背景から説明し、社内ワークショップや、社員1人ひとりがいま手がけているプロジェクトを発表する会などを開きました。また、プレゼン動画を撮影して、リモートワークでなかなか会えない人にオンラインでメッセージを届けたりもしました。

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