変わることにストレスや恐怖を感じる人もいますし、いままでの働き方の慣行に愛着を感じている人もいます。特に意見のある人とは、1on1でどこの改善が受け入れがたいかを聞いて、修正を加えたり、丁寧に説明することで、納得してもらうことができました。
ビジョンを一新することに伴い、働き方だけでなく、会社のロゴなどのデザインの変更も企画しました。変更後の体験を作るという意味で、試作品をつくって、社員が新しいロゴに触れる機会をつくりました。
コロナ禍でなかなか会えない社員には、「ミッション」「ビジョン」「バリュー(自社の価値)」を記載した新しいIDカードを郵送することで、自宅で手に取ったとき、「これが新しいGroovesなんだな」とワクワクできるような工夫をしました。
こういった取り組みの中で、会社の変化に対して、みんながだんだんと馴染んでいったように思います。
マネジメントが気づきにくい重要な役割
新しいビジョンを掲げると、いままでの組織の慣行や仕組みでは上手く回らないことが多々あります。そこで重要になるのが、トップの役割です。
トップが新たなビジョンを伝える際は、社員も一緒になって達成したいと思えるような職場環境を整えていきたいと、セットで発信する必要があります。単に「もっと生産性を上げなさい」と号令をかけただけでは、浮いた言葉になり、社員に対して届きません。
つまり、トップダウンで意思決定するのではなく、トップもみんなの1人として、いろんな意見を柔軟に聞き入れながらやっていく姿勢を見せることが大事だということです。
トヨタの社長は、上座や下座を意識せず、対等な目線で自由闊達なミーティングができるように、円形テーブルにこだわっているという話があります。
その姿勢をトップが示すことによって、部下の中間管理職にも伝播し、組織全体がチームメンバーの意見を聞こうという意識になっていくのでしょう。
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