「変われる組織、変われない組織」決定的な違い 生産性を上げるために必要な働き方を作る方法

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『リデザイン・ワーク 新しい働き方』では、会議の生産性を上げる仕組みとして、出席者を6人未満に抑えるほうがよいと述べられています。というのも、会議に「出席」しているのに、話し合いに「参加」していない状態になるリスクを下げるためです。

弊社でも、それに近い仕組みとして、重要なミーティングで代表がメッセージを発信するときには、代表が事前にマネジャーやGMに内容を伝えておくということを行っています。

これによって、トップが組織全体にメッセージを伝えた際に、従業員たちが内容を理解できない、もう少し踏み込んで知りたいとなっても、マネージャーやGMが自チームに対してさらに噛み砕いて説明することで、組織内の伝達ロスを減らすことができます。

カルチャーなき日本企業は生き残れない

『リデザイン・ワーク 新しい働き方』では、生産性とは「自社のカルチャー、あるべき姿の理想」と、「働く人のニーズや役割に配慮した環境づくり」、そして「テクノロジーの進化」の3つがそろったものだと解釈しました。

ニーズとテクノロジーだけでは不十分だということです。例えば、「リモートで働きたいという社員のニーズがある。パソコンさえ支給して在宅勤務にすれば生産性が上がるだろう」とはならないということです。

「メタ(旧フェイスブック)」のオフィスは、わざと複数部署が入り混じったごちゃごちゃした設計になっています。ふとした会話からイノベーションが生まれるということを、意図的に起こそうとしているのです。

あるいは、健康的な食生活を送れていないメンバーが、社内食堂で良いものを食べることで、長く勤められるかもしれない、ということも考えられます。

こういったことも「自社のカルチャー、あるべき姿の理想」から生まれた一例だと私たちは考えており、「生産性の3つの条件」を考えるうえでの参考にしています。

会社は生き物です。新しい人が入ってきて、去っていく人もいる。優秀な人を採用できれば、会社のレベルが上がり、人も変わりはじめます。

サービスには、顧客のニーズやテクノロジーの変化に対応して、絶え間ないアップデートが必要なように、会社のデザインにも終わりはありません。今後も、働き方のリデザイン――「理解」「構想」「検証」「行動」を怠らず、自社にとってよりよいカルチャーを築いていきたいと思っています。

(構成 泉美木蘭)

増渕 大介 Groovesデザイン戦略室ゼネラルマネージャー

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Daisuke Masubuchi

2020年、”はたらく場”を届けるWorkTechサービスの運営などを行う株式会社Groovesに入社。デザイン戦略室を立ち上げ、デザイン経営担当として事業戦略に関わり、コーポレートビジョンの刷新やブランディングを主導。現在は、プロダクトデザインチームとBXデザインチームを統括している。

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