「キンプリ」王道ジャニーズなのに"新しい"理由 『クロサギ』平野紫耀は詐欺師をどう演じる?

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「ichiban」の広がりは、それだけにとどまらなかった。6月15日に開設された彼らの公式TikTokアカウントで「ichiban」を使用したダンス動画などの投稿が呼びかけられるとその反応はすさまじく、配信スタート後13日間で総再生回数3億回、29日間で同6億回を突破。国内アーティスト最速記録を達成した。

インターネット、そしてSNSからヒット曲が生まれる流れは、近年すっかり定着している。ただジャニーズに関して言えば、いまもCDセールスに比重を置いている面もあり、あまりそうしたケースは目立っていなかった。

その点、この「ichiban」のバズりかたは画期的と言ってもいいだろう。プロ、素人を問わずさまざまな人びとがTikTok動画で「ichiban」を踊る姿は、いままでにないジャニーズ曲の浸透のしかたを物語っている。CDデビュー時にすでに世界を意識した発言をしていたKing & Princeの今後にとっても、ネットからの発信として貴重な成功体験になった部分があるだろう。

「ichiban」が示したKing & Princeの新たな魅力

またこの「ichiban」という楽曲は、King & Princeというアーティストの魅力を再確認させてくれた面もある。

King & Princeと言えば「ジャニーズの王道」。そのイメージは世間にも強いはずだ。

彼らは、2015年にジャニーズJr.内グループ「Mr.King vs Mr.Prince」としてスタート。そのときは岩橋玄樹を含む6人グループで、平野、永瀬、髙橋からなる「Mr.King」と岸、岩橋、神宮寺からなる「Mr.Prince(後にPrinceに改称)」の2つのユニットがグループ内に存在するかたちだった。

その後は各ユニットの活動のほうが活発になっていた時期もあったが、2017年ジャニー喜多川に6人でCDデビューしたいという希望を直談判したところから、状況が動き出す。

そして2018年にグループ名を現在の「King & Prince」に改め、同年5月「シンデレラガール」でデビューを果たした。今年、グループとして初の4大ドームツアーを成功させるなど、順調にステップアップしている。

王道のイメージが定着した理由としては、やはりデビュー曲「シンデレラガール」(作詞:河田総一郎、作曲:河田総一郎・佐々木望)のインパクトによるところが大きい。

相手を「シンデレラ」になぞらえ、「いつになっても 幾つになっても ボクはキミを守り続ける」と歌い踊る姿は、曲調や衣装などとも相まってグループ名そのものの「王子様」的雰囲気を強烈に印象づけた。

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