3月12日、今年2021年11月1日をもってV6が解散することがジャニーズ事務所から発表された。解散に伴い、メンバーの森田剛は、ジャニーズ事務所を退所。坂本昌行、長野博、井ノ原快彦、三宅健、岡田准一はそのままジャニーズ事務所に所属して、個人での活動を続けていく。
坂本、長野、井ノ原のグループ内ユニット「20th Century(トニセン)」は存続するが、森田、三宅、岡田の「Coming Century(カミセン)」は活動を終了する。
V6は、テレビ時代のジャニーズアイドルの理想形
突然世間を駆け巡ったこのニュースに、驚いたひとはきっと多いだろう。私もそのひとりだ。なぜなら、V6というグループは、現在のジャニーズにおける“安心感”の象徴のような存在だったからだ。
彼ら6人は、1995年11月1日に「MUSIC FOR THE PEOPLE」でCDデビューして以来、1人のメンバーも欠けることなく、ずっと変わらずそこにいてくれた。昨年デビュー25周年を迎えた際には、「勤続25年の男たち」と自ら称していた。ちょっと冗談めかしてはいるが、そうしたなかにもアイドルという変化の目まぐるしい世界を生き抜いてきた彼らのプライドが感じられた。
では、V6が醸し出す“安心感”の源はどこにあったのだろうか? ひとつは、V6の持つ周囲を包み込むような「やさしさ」だろう。彼らのいるところには、V6ならではのやさしい世界が生まれる。
たとえば、『学校へ行こう!』(TBSテレビ系)の「未成年の主張」で、懸命に主張を訴える中高生を温かい目で見守る姿。また、初出場の『NHK紅白歌合戦』で世代を超えて口ずさむことのできるヒット曲「WAになっておどろう」を歌う姿。そんな彼らの姿を思い出せば、そのことは納得してもらえるはずだ。
そうした彼らの分け隔てをしない、いわば壁を作らないやさしさは、テレビ時代のジャニーズアイドルのひとつの理想形だった。テレビとは、世代や性別を問わず誰もが見て楽しむことのできる日常的な娯楽だからである。
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