まず、一般に売られているペンライトには、主に2種類ある。ひとつは、電池式で価格は安くて500円くらいのもの。色や明るさが切り替えられるものは、2000~3000円が相場のようだ。もうひとつは、夜釣りや防災グッズとしても使われるケミカルライトやサイリウムと呼ばれる商品。折ると2種類の液体が混ざり、その化学反応で発光するタイプのものだ。価格相場は100~200円といったところか。「激しく光る棒」は、後者だ。従来品(「太い光る棒」や「極太光る棒」)より強く発光するのが特徴である。
ライブでペンライトを使う動機は、応援したいという気持ちのほか、目立ちたい、テンションを上げたいというニーズもあり、高輝度の商品が求められる傾向にある。同商品も、オタ芸(ペンライトを使った、アイドルを応援するためのパフォーマンス)を見たバイヤーが、「従来品では照度が足りない」というネット上の口コミをキャッチしたことから、メーカーとの開発がスタートしたという。
発光時間の長さに比例して価格も上がるため、持久力のある商品は照度を抑えたものが多い。そんな中、同商品は、発光時間が短いものの(オレンジが10分、そのほかは20分)、「100円で輝度の高さを楽しめる」と、コスパのよさで支持を集めている。ちなみに、断トツ人気はやはり輝度の高いオレンジだそう。
飛行機への持ち込みも可能なので、遠方で開催されるコンサートにも持っていける。通販などでまとめ買いをすれば100円を切る商品もあるが、ダイソーは国内2800店舗を展開しているので(2014年3月時点)、在庫さえあれば気軽に買いに行くことができる点もよいのだろう。
ツイッターや動画を使ったPRで人気に拍車
また、同社は、「急造クリスマスアカ(激しく光る棒 シロ)」というツイッターアカウント(現在はつぶやき終了)を開設し、「この店舗でも販売してほしい」という消費者の声に対応しながら、販売店舗を拡大していった(最終的に全店に導入)。
さらに公式HPでは同商品の特設ページを作り、消費者が同商品を使ったオタ芸動画も掲載(下記の動画は、消費者グッチーさんによるもの)。ネットを駆使して消費者を巻き込んでいく販促も、人気に拍車がかかった要因のひとつといえる。
2014年3月には3色に加え、消費者から要望の多かったさらに明るい「激しく光る棒MAX」(オレンジ、発光時間は5分)も追加販売。発売初日に在庫がなくなる店舗も出るなど、さらにブレークした。同年6月に発売した「激しく光る長い棒」(オレンジ、15インチ、250円)も、消費者の声に応えて開発した商品だ。
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