ライブでは、各アイドルや曲によってテーマカラーが決まっている場合も多く、そのカラーに合わせてペンライトの色を変えるのが通例。発光時間が短いものは、途中で新たなライトを投入する「追い炊き」が必要となる場合もある。これらの理由から、ケミカルライトはまとめ買い需要が高く、同商品も大量購入がたびたび発生するようだ。
と、売れている謎が解けたので試してみよう。表袋、中袋と開けると商品が出てくる。「バルログ」(複数のライトを持つ行為)がしやすいというネット上の口コミを見たが、持ってみて納得。「トリガーグリップ」という丸い持ち手があるので持ちやすいのだ。
折った瞬間、ふわっと中の液体が混ざって発光するさまにはちょっと感動。2歳の息子も「キレイ~楽しいね~」とニッコリ。横取りしてぶんぶん振り回し始めたので慌てて取り返した(対象年齢は7歳以上です)が、筆者も非日常感にスイッチが入り、テンションが上がってしまった。MAX、オレンジ、バイオレットを試したが、確かに盛り上がるなら暖色系か。でも、寒色系の美しさも捨てがたい。
MAXはとにかく折った直後が非常に明るい。各色とも徐々に照度は落ちていくが、表示時間プラス5分くらいはもったように思う。音がない環境で試したが、無性にライブに行きたくなってしまった。ライブで振ったらもっと楽しいに違いない。
使用禁止の規制が広がる中で
ところが、昨今、安全面を考慮してケミカルライトの使用を禁止するイベントが増えている。主催者が公式グッズを売りたいがための規制だという見方も一部にはあるが、確かに扱いには注意が必要だ。実際、2014年11月、HKT48のライブでケミカルライトが破裂して液体が飛び散るという出来事があった。今年2月以降、AKB48グループのイベントではケミカルライトの使用が禁じられている。規制の影響もあってか、最近は電池式のペンライトの使用が主流になりつつあるという。
だが、ペンライトの専門店「でらなんなん秋葉原店」のスタッフさんはこう話す「電池タイプを持っていても、お気に入りの人のテーマカラーのケミカルライトを追加購入するお客様は多い。振りたくてライブに行かれる方も。やはり折って光らせるとテンションが高まるようです」。依然としてライブの必需品として一定の需要があるようだ。
ダイソーも、規制の影響は、「今のところはない」(日下氏)と言う。夏祭りの景品や文化祭の備品としてのまとめ買い需要もあるそうだ。仮に今後、需要に変化があっても、ダイソーなら新たなニーズに応えた新商品を売り出してくれるのではないだろうか。そんな期待をしてしまうから、人々は今日もダイソーに足を運んでしまうのかもしれない。
(撮影:今井康一)
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