Amazonで資生堂より無名シャンプーが売れる謎 無名ブランドが勝つのには理由がある
実は、Amazonという市場において、第二象限の「不協和解消型」の消費者はかなり重要だ。
普段、Amazonでモノを買う消費者は、「ブランドごとの差異はわからないけど、買ううえで多少の情報は調べる」という認知的不協和解消型のタイプが多いからだ。
商品の検索の仕方で見えてくるある傾向
これを端的に示すデータがある。
以下は、われわれが独自で調べたAmazonの検索キーワードの頻度ランキング(Amazon内で検索されるキーワードランキング)だ。
見てのとおり、「シャンプー」が10〜20位、「シャンプー 詰め替え」が約500位、「シャンプー メンズ」が約1000位に位置している(下図参照)。
それに対し、メジャーな商品である「パンテーン」は、約1500位、「メリット」が4800位とぐっと下がる。
また、自分が抱えている髪の悩みにフォーカスを絞ったキーワードである「アミノ酸シャンプー」は約5000位、「ノンシリコンシャンプー」は3万5000位とかなり下位に位置している(このキーワードで検索するのは「情報処理型」の消費者だ)。
ここまでの説明でおわかりのとおり、Amazonではいつもと同じものを買う「習慣型」と、製品に対してのこだわりはあるものの、その場で見てよいと判断したものを購入する「不協和解消型」の消費者に二分されている。
そして、後者のボリュームが圧倒的に多いのである。
つまり、Amazonでシャンプーを検索し購入を検討する多くの人は、「これ!」と決めているブランドがなく、検索欄に「シャンプー」と打ち込み、そこで出てきた商品ラインナップの中から「よさそう!」と感情が動いたものをカートに入れているのだ。